撮影に至る経緯
2022年1月21日にバラ星雲を撮影して、余った時間を活用して、うみへび座の散開星団M48を撮影しました。
高度がさほど上がっておらず、メジャーなメシエ天体ということで探したと思います(ちょっと、その時の記憶があいまいです)
恒星のピント合わせや、極軸設定はバラ星雲と共通ですので、上記記事をご覧になっていただければと思います。
撮影の経過及び結果
自動追尾の状況
1時間という長い自動追尾時間となりましたが、追尾誤差は許容範囲で、良好な自動追尾でした。幸せで安心した気分になりました。
やはり、追尾誤差が少ないと、気分が良く、スカッとします。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体M48(赤経08h14m、赤緯-05°49′)に至る基準恒星の候補は二つです。
①こいぬ座のプロキオン(等級0.4、赤経07h40m・赤緯+05°10′)
②おおいぬ座のシリウス (等級-1.45、赤経06h46m・赤緯-16°44′)
とも座のトゥレイス(赤経08h08m、赤緯-24°22′)も候補になるはずなのですが、おそらくまだ公園の木立を越えてきていなかったのではないかと。
目立つ星ということで、ついついシリウスを選びたくなりますが、距離の点でプロキオンが有利ですので、堅く①プロキオンを基準恒星としました。
当日の記録を見ると、導入には4回ほどトライしているようで、不調だったようです。
撮影結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色強調・トーンカーブ調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
露出8秒間、総スタック時間3600秒(1時間)、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。
にて撮影しました。
前述したように追尾誤差も最小に抑え込まれ、安定した撮影が出来ました。
星の集まり具合、星の数(50個から100個)ともにバランスがとれていて、なかなか良い、上品な散開星団です。メシエ天体だけのことはありますね。
まとめ
1時間の自動追尾時間で、信じられないほどの追尾誤差の小ささ、気持ちが良かったです(だったと思います)。いつも、これくらいの精度で自動追尾が出来たらなあ。
追尾誤差の原因は、鏡筒のバランスと、望遠鏡セット全体の撓みだと思います。バランスは、撮影前と撮影後で変わってしまっていることが多く、原因としてはかなり怪しいです。
撓みの方は、三脚が自然に沈んでいく(ベランダ撮影では、三脚を伸ばさざるを得ない)、目盛環に赤経赤緯値をセットする時に力を入れる、この辺りが怪しいと思っています。
引き続き検証をしていきたいと思います。
M48は、ついでに撮影した割には、とても良い散開星団で得をした気分です。
これからも「ついで」とか「空き時間」を大切にしていきたいと思います。
どこでお宝に当たるか分かりませんから。
コメント