目次
経緯
昨日の記事で、バーティノフマスクで恒星のピントを合わせ、そのピントで惑星を見たら、惑星のピントが合うのではないか、という点を実験しました。
その結果は、もやもやしたものに終わりました。バーティノフマスクで合わせたピントでは、惑星のピントは合わなかったのですが、シーイングが良くなく、シーイングが悪かっただけなのではないかとの予測も成り立ったからです。
では、バーティノフマスクで直接木星や土星を見るとどのような結果になるでしょう。
もう先人が試しているものとは思われましたが、それで惑星のピントが合うのであれば、これ以上素晴らしいことはありません。
思い立ったら吉日、昨夜早速実行しました。
バーティノフマスクで土星を観測した場合
光の姿
土星は輪も含めると楕円形なので、これは無理かなと思っていましたが、試してみました。
土星は↓のように見えました。三本の光は出ないものと思っていましたが、バーティノフマスク越しに恒星を見た時のように、意外にもはっきりした線が確認できました。
バーティノフマスクのピントで土星を撮影・撮像してみた
そこそこ三本の線は一カ所で交わっているように見えたところで、撮影・撮像してみました。
撮影は失敗です。ピントは全く合いませんでした。
土星を直接バーティノフマスクでピント合わせすることは無理でした。
バーティノフマスクで木星を観測した場合
光の姿
バーティノフマスク越しの木星は、恒星のそれのように見えました。これならピントが合わせられそうです。三本の線も一カ所で交わっているように見えます。
バーティノフマスクのピントで木星を撮影・撮像してみた
昨夜は大赤斑とタイミングが合いました。
この画像では、ピントがある程度合っているようです。
バーティノフマスクを外して、ピントを追い込みなおし、撮影・撮像して、↑の画像と比較してみました。
この比較においては、バーティノフマスク越しの撮影結果が上回りました。
管理人のピント合わせの腕はおいておいてですね。
まとめ
結果として、土星は無理だったものの、輪などがついていない単純な球形の惑星であれば、バーティノフマスクでピント合わせが出来そうです。
金星で試すことが出来なかったのですが、三日月形に見える天体は、どのような結果出るのか分かりません。
月のような視直径の大きなものも多分無理でしょう。
これからもずっと、バーティノフマスクを木星撮影のお供にできるのか、まだ何回か試してみます。
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×2バローレンズ使用(月の画像は使用せず、×0.5レデューサー使用)
カメラ:CMOSカメラZWO社ASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影及びスタック:FireCapture2.6、AutoStakkert3.1.4(バーティノフマスクによるピント合わせはSharpCap3.2使用)
画像編集:RegiStax 6でWavelet処理
その他:UV/IRカットフィルター使用
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