目次
管理人の土星への思い
高校生の時、天体望遠鏡で土星の輪を見た時の感動は今も覚えています。
本当に輪に囲まれている惑星があるんだって。
輪は何でできているのだろうかとか、素朴な疑問が浮かんだりしました。
Wavele処理を知るまでは、望遠鏡で観る輪は、観測する限り「板」でした。
土星の環は美しい。上品で、荘厳で、迫力まである。
管理人が、土星をせっせと撮影している理由です。
火星と同様、撮影に失敗が多い
せっせと撮影しているのは良いのですが、火星で失敗するのと同じような失敗が多いです。
このところでは、いつも、撮影にあたって、画像が明るすぎるか、暗すぎるか、そのあたりが焦点になります。
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)
撮影場所:自宅ベランダ
撮影ソフトウェア FireCapture2.6 スタッキングソフトウェア AutoStakkert3.1.4
画像処理ソフトウェア RegiStax 6
成功例
画像①
これまでで最高に上手に撮影できた土星です。木星に複数の模様が見えています。
小口径の望遠鏡では、土星の本体模様は一本と決めてかかっていました。未だにこの画像を超える画像は出てきていません。
Duration=60.014s、Frames captured=6680、ROI=400×400、FPS (avg.)=111。Shutter=8.971ms、Gain=300 (50%)、Gamma=56、Histogramm(min)=0,Histogramm(max)=3659,Histogramm=89%
[Wavele処理]
Layer1 Preview100、Sharpen0.1
画像⓶
これも、上手に撮れた土星です。本体模様も、カッシーニの空隙も見えています。口径80mmなら十分合格です。
Duration=60.007s、Frames captured=5984、ROI=400×400、FPS (avg.)=99、Shutter=10.00ms、Gain=292 (48%)、Gamma=47 (off)、Histogramm(min)=1、Histogramm(max)=3326、Histogramm=81%
[Wavele処理]
Layer1 Preview100、Sharpen0.11
失敗例
画像③
まずまずの失敗例です。A環は分かれて見えるので、一概に失敗とも言えませんが、ピントが甘いのと、薄暗い感じが良くないです。管理人の土星のイメージはこれじゃない。
Duration=60.015s、Frames captured=10203、ROI=400×400、FPS (avg.)=170、Shutter=3.700ms、
Gain=386 (64%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=4095、Histogramm=100%
[Wavele処理]
Layer1 Preview100、Sharpen0.13
画像④
普通の失敗です。
拡大してみると、そこそこの画像でA環も分離しているのですが、何といっても暗いのがよくないです。
星の人以外の人が見たら、これは土星だと言ってくれそうにない。惑星にも見えません。
Duration=60.003s、Frames captured=10209、ROI=400×400、FPS (avg.)=170、Shutter=3.700ms、Gain=369 (61%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=3463、Histogramm=84%
[Wavele処理]
Layer1 Preview100、Sharpen0.13
成功例と失敗例で撮影設定値を比べてみる
今回比べている、良い写真もイマイチな写真も、とんでもなく失敗作ではありません。A環は離れて見えますし。
要するに管理人が失敗しているのは、明るさなんです。
果たして有意性のある結果が出るでしょうか。
画像① | 画像⓶ | 画像③ | 画像④ | |
Duration | 60.014s | 60.007s | 60.015s | 60.003s |
Frames captured | 6680 | 5984 | 10203 | 10209 |
ROI | 400×400 | 400×400 | 400×400 | 400×400 |
FPS (avg.) | 111 | 99 | 170 | 170 |
Shutter | 8.971ms | 10.00ms | 3.700ms | 3.700ms |
Gain | 300 (50%) | 292 (48%) | 369 (61%) | 386 (64%) |
Gamma | 56 | off | 100 | 100 |
Histogramm(min) | 0 | 1 | 0 | 0 |
Histogramm(max) | 3659 | 3326 | 3463 | 4095 |
Histogramm | 89% | 81% | 84% | 100 |
Layer1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
Preview | 100 | 100 | 100 | 100 |
Sharpen | 0.1 | 0.11 | 0.13 | 0.13 |
FPS (avg.)とShutter
仕上がりの良かった画像①②の方が、Shutterが長いですね。
Shutterが長いと、FPS (avg.)も上がらない。
確かに画像①②はキャプチャー数が少なく、画像③④はキャプチャー数が多い。
もしや画像の出来の問題は、キャプチャー数にあるのでしょうか。
GainとShutter
Gainは控えめ、Shutterは長めの方が、良い成果が出ています。
Gainは、そんなに違いはないですが、Shutterは10msから3.7ms大きな差が出ています。
Shutterは明るさに直結しますから、この辺りが原因の可能性が高いです。
まとめ
キャプチャー数が少なくなることで写真の質が上がるというのは、考えにくいです。
これは、キャプチャー数の差というよりは、結果としてキャプチャー数を多くしたり少なくしていたShutterに原因があると思われます。
そう考えると、なぜ画像①から④のような画像の差が出たかというと、Shutterを上げると、良い明るさになる、下げると、暗くなる、そういうことです。
適正なShutterを設定しないと失敗するということですね。
これが今回の結論です。詳しい人が見たらビギナーな議論だと思いますが。次の観測で、少しでも良い撮影をしたいので・・・。
Shutter:9ms、Gain:300 (50%)くらいに設定して、Histogramm:90%くらいに導く。
管理人にとっての適正な設定値は、以上のようになります。
次回の撮影が楽しみです。
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