目次
撮影に至る経緯
先般、網状星雲(西)を撮影した時に。網があまり美しくありませんでした。
かなり淡い星雲でしたが、最近のように露出時間は60分で撮影しました。
これがいけなかったのかもしれません。露出時間を増やせばノイズも減るし、星雲もきれいに写るに違いありません。
そこで昨夜、おなじくはくちょう座の、超新星残骸NGC6992「網状星雲」(東)(以下、東という)の撮影にチャレンジしました。
「西」と「東」は、それぞれ東西に並んでにらみ合っています。
本当は、「網状星雲」(西)(以下、西という)と東を同時に撮影すべきところ、ASI462MCの画角の狭さから、それを表現するのが無理です。
しかし、東も西も撮影できるのであれば、それで十分満足です。
また、今回肉眼で確認ができない天体の画角への収まり具合のチェックなどにSharpCapのライブスタックが使えることが分かりました。
撮影に入る前に、ヒストグラムで炙り出しをして、確認することができます。やはり、SharpCapのライブスタックは便利です。
他にも手はあるのかもしれませんが、管理人はライブスタックに愛着を持っているので・・・
今さらながら、超新星残骸とは、超新星爆発によって放出された物質が星雲状に見えるものです。かに星雲が一番メジャーでしょうかね。
↓東を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
撮影・撮像への経過と結果
恒星のピント合わせ
いつもどおり、バーティノフマスクとSharpCapのフォーカス支援機能を使います。
恒星は、はくちょう座のデネブを使いました。
美しい東を撮影するために、少しでも精度の良いピントにしておきたかったです。
↓目測での結果。これをSharpCapで解析します。
↓のようなところまでおいこんだのですが、あと一歩足りない感じです。
↓いつものように10分間の放置プレイを行ったところ、グラフが完全にフラットになりました(エラーは出てますが)。
目測でもばっちりです↓
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
東を美しく撮影するには、極軸設定が正確でないといけません。いつもより気合を入れて設定しました。
いつものとおり、SharpCapの極軸合わせ機能を使います。その結果、設定誤差25″まで追い込みました。これで、自動追尾も順調にいくでしょう。
自動追尾の状況
土台の極軸設定がうまくできたので自動追尾の結果も画像で示します。東西・南北双方に追尾ズレが目立ちますが、十分許容範囲です。
撮影がうまくいく予感がします。
基準恒星と目標天体の導入
東は、はくちょう座の右の羽根の上にあります。基準恒星は、今回も、西に引き続きデネブ(等級1.25、赤経20h41m、赤緯+45°16′)一択です。
目標天体「東」は、赤経20h56m、赤緯+31°44′の位置にあり、ひとっ飛びで画角に導入することができました。
今回は、これをSharpCapで炙り出して、構図などの確認をしました。
↓デネブです。
撮影の結果・撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN350、8秒間のフレーム900枚を撮影・うち720枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル調整・トーンカーブ調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年7月22日金曜日
撮影の結果
写りました!しかも西よりはるかに美しく。がさがさ感が全くありません。
これが管理人がwebサイトなどで見る網状星雲です!ついにわが手に来たか!
構図はもう少し、網状星雲が南に寄っていればなお良かったです。
何度も雲に襲われたので、大丈夫かと思いましたが、撮像には8割しか使わなかったので、その内に収まったのかもしれません。
撮像の経過と結果
色レベルによる星雲の色強調
やはり元画像では、華やかさに欠けるので、編集をすることにしました。
まずは、色レベル補正で星雲の炙り出しをしました。
色レベル補正でカブリを除去
右下に青色の被りがあるんですが、目障りなので何とか消しました。
網状星雲は若干薄くなってしまいましたが、ノイズを消す方が賢明と思い実行しました。
明度のアップ
少し華やかにと思い、トーンカーブで全体的に明るくしました。
これで編集は終了、撮像の完了です。
まとめ
西に続いて東も撮影に成功し、とても満足です。
極軸設定、自動追尾その他もとても順調で、とても良い撮影となりました。
編集は、少しやりすぎかなと思いつつも、折角2時間の撮影をしたのだから、かなり盛っても大丈夫と確信し実行しました。
最近、三裂星雲など、難易度の高いDSOの撮影が続きました。
これからも、難易度の高いDSOにチャレンジし、満足感を得ようと思います。
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