目次
撮影に至る経緯
未だに、愛称のユニークなDSOを追いかけています。
今回のターゲットは、球状星団なのですが、何故かエンジェルフィッシュという左右対称ではない生き物をモチーフに使っています。どんな形をした球状星団なのか興味をそそられました。
目標天体:や座の球状星団M71「エンジェルフィッシュ星団」
小ぶりの球状星団ですが、形で楽しませてくれるかもしれません。
撮影・撮像への経過と結果
恒星のピント合わせ
少し新鮮味を求めて、また、基準恒星候補の導入訓練も兼ねて、わし座のアルタイルをピント合わせに使いました。
↓アルタイルを追尾するビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
バーティノフマスクで肉眼でピント合わせをした後、SharpCapのフォーカス支援機能を使います。
波形をこの状態にするのにかなり時間がかかりました。ここでピント固定です。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
先だっての撮影で、1′角の設定誤差も、20″の設定誤差も、同じくらいの追尾誤差になることが分かったので、追尾誤差1′以内を狙いました。しかしこういう時に限って、極軸設定は順調に進み、29″の追尾誤差まで追い込むことができました。excellent!
自動追尾の状況
60分の自動追尾をしました。
先だっての撮影よりは誤差が出ました。極軸設定の精度は昨夜の方が上だったのに、なぜか。。。
いずれにしても許容範囲の追尾誤差でしたので、安心しました。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体のエンジェルフィッシュ星団は、赤経19h53m、赤経+18°46′にあります。
肉眼で見えた、エンジェルフィッシュ星団に近い星は、わし座のアルタイル(等級0.75、赤経19h50m、赤緯+08°52′)でしたので、選択の余地もなく、基準恒星に決定しました。
導入は順調で、1度のトライで、画角の隅にエンジェルフィッシュ星団を捉えることができました。
↓アルタイルです。
撮影の結果と、撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN370、8秒間のフレーム450枚を撮影・うち360枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル補正、FlatAideProによるフラット補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年6月26日日曜日
撮影の結果
あー、何となくエンジェルフィッシュに似ています。命名者はすごい着眼ですね。
こういう左右対称ではない球状星団だったとは想定外でした。
撮影はうまくいったようですが、やはり中型の星がドーナツ型になっています。
この回避策は、まだ見えていません。引き続き研究を続けます。
撮像の経過と結果
フラット補正
まずはクリアにするために、FlatAideProでフラット補正をします。
かなりクリアになったような・・・
色レベルの強調→完成
若干、華やかに、色レベル強調をしました。これで完成とします。
まとめ
1時間以上の撮影では、いつも大きな追尾誤差が出ていないかどうか不安になるのですが、このところ、安定した自動追尾ができています。
これが緯度の低いDSOを狙った時が心配ですが(心配しすぎか)、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6を信じて、これからも積極的に撮影をしていきます。
今回、ASI462MCに埃が付着していました。画角の隅に付着していたので、影響は小さくて済んだのですが、これからは、セッティングの段階でブロワをかけようと思います。
コメント