目次
撮影に至る経緯
最近、雨に日の画像編集と題して、そこそこの数の画像の編集を記事にしてきました。
そこで気になるのは、カブリ補正です。
そもそもカブリは、撮像の時には、残りをさっさっと掃除するように処理するもので、たっぷり残ったカブリを力技で見えなくするものではありません。
そのあたりの調整を、SharpCapのライブスタックのリアルタイムダーク補正・フラット補正ではできないんですよね。SharpCapが自動でやってしまうから。
そこで今回、あえて、コンポジットをDeepSkyStackerで手動(?)ですることにし、ダーク・フラット補正もその際にすることにしました。対象となる天体は、取り組みやすい球状星団のM92(ヘルクレス座)。
最初に断っておくと、本体のフレーム撮影が終わって、ダークフレームの撮影をしている間にうたた寝をしてしまい、フラットフレームの撮影ができませんでした。
カブリの実験のはずが、たっぷりカブリを後処理する羽目になりました。
撮影・撮像の経過と結果
恒星のピント合わせ
管理人の家のベランダからとても見やすい位置にある、すっかりおなじみになったアルクトゥルスを使ってピント合わせをしました。
今回は最初からバーティノフマスクではなく、FWHM Mesurementという機能を使ってみました。要するに恒星の大きさでピントを判断しようとするものでしょうか?
ベガを枠の中に入れて・・・まずは赤いグラフが出ますのでこの時点でピントは合っていないはずです。
↓ブルーのグラフが支配的になってきましたので、バーティノフマスクで確認してみましたが・・・
↓まだずれているようです。結局、これ以上グラフを追い込むことが出来ず、バーティノフマスクに頼って目測でピント合わせをしました。
まだまだ修行が足りませんね。
↓因みに↓のようなグラフになってもピントは合わず・・・途方にくれました。
↓ベガです。これからお世話になることが多そうです。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
テストということもあり、スタック時間は30分程度と考えていましたが、最近、excellentの評価が出ないと気が済まなくなっており、今回もexcellentな設定を目指しました。
23″の設定誤差まで追い込みました。excellentです。
自動追尾の状況
追尾時間は、8秒間のフレームを250フレーム、33分20秒の追尾ですから、楽に誤差無しで追尾出来ました。無視されたフレームも1枚のみでした。
高い精度ですね。
基準恒星と目標天体の導入
基準恒星はこと座のベガ(等級0.00、赤経18h36m、赤緯+38°46′)です。
目標天体は、M92で、位置は赤経17h17m、赤緯+43°08′で、基準恒星からはひとっ飛びです。
しかし、3回のトライを要しました。なぜか、ベガの位置の設定にミスがあったようです。
こういうケアレスミスは無くさないといけませんね。
撮影・撮像の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、DeepSkyStackerによるコンポジット
画像編集:GIMPによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正、GIMPによる色レベル調整・影ハイライト調整・カラーバランス調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年5月18日水曜日
撮影の結果
↓の8秒間のtifフレームを250枚撮影しました。GAIN250です。ここまでは順調です。
撮像の経過と結果
DeepSkyStackerによるコンポジットとGIMPによる炙り出し
今まで一度もうまくいったことがなかったDeepSkyStackerによるコンポジット。
今回は星も多いし、追尾精度も高く、自信がありました。その結果、以下のような画像が出来上がりました。
きちんと合成されたようです。
FlatAideProによるフラット画像の作成
フラットにできたと思いましたが・・・
GIMPによる炙り出し
フラット画像からM92を炙り出しします。
↓こんなのが出ました。フラット補正が出来ていないから、カブリが著しいのでしょう。
GIMPによるノイズの軽減
↓まずはノイズの軽減です。少し消えましたが、効果は薄かったです。
GIMPによる色レベルの調整
色レベルの調節で、カブリを見えなくしました。やっとみられる画像になりました。
また、影-ハイライトでShadows値を上げて、M92を強調しました。
やはりフラット補正をしていない分、カブリが残ってしまいました。
GIMPによるカラーバランス調整→完成
↓カラーバランスで少しお化粧を(シアン強調)して完成です。
まだまだ勉強しないといけないですが、ライブスタックのレベルには近づいているようです。
フラット補正さえしていれば、残念です。
まとめ
SharpCapによるピント合わせや、コンポジット、勉強すべき点はたくさんあります。
次はきちんとフラット補正をして、練習をしたいと思います。
そろそろ8秒間の露出時間からも卒業できると良いのですが。淡い部分から濃い部分まであるDSOを撮影する際に、いろいろな撮影時間のフレームが必要になることがあります。
新しいページを開いたか?
コメント