目次
撮影に至る経緯
引き続きこだわっている、りょうけん座方面。
そして、愛称の面白いDSOへのこだわり。
その二つが重なったのが、りょうけん座不規則銀河NGC4449「The Box Galaxy」でした。
The Box Galaxyは、箱銀河?
箱型の銀河とはどんな形をしているのか、とても興味があります。
これは、先日Whale Galaxyを撮影する前に撮影したものです。本来その日は、このDSOをメインに撮影するはずでした。
極軸や基準恒星はWhale Galaxyと共通です。残念ながら高度が高く、軒の向こうに行ってしまい、15分程度のスタック時間しか確保できませんでしたが、The Box Galaxyのシルエットはおぼろげに捉えました。
↓The Box Galaxyを追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。
撮影・撮像の経過と結果
恒星のピント合わせ
しし座のレグルスで、バーティノフマスクで確認しました。こちらの方が時間的には先ですが、上記記事へのリンクをご覧ください。
極軸設定と自動追尾の状況
この項目も、Whale Galaxyと同様ですので、上記記事へのリンクをご覧ください。
この日は、この一回の極軸設定で、Whale Galaxyも追尾し、トータル4時間程度(食事の時間とか含む)の自動追尾をやってのけています。
それで、かなり高い品質の自動追尾をしています、excellentです。
基準恒星と目標天体の導入
管理人の家のベランダから見る、北から東の方面は、夜間もやっている自動車学校とかがあって、とても明るく、基準恒星を探すのが一苦労です。
何とか目を凝らして見つけたのが、おおぐま座のアルカイド(等級1.85、赤経13h47m、赤緯+49°12′)です。
この日は、Whale Galaxyもこの基準恒星の赤経赤緯値でとらえました。一回の基準恒星の設定で複数のDSOを捉えたのは初めてかもしれません。
目標天体のThe Box Galaxyは、赤経12h28m、赤緯+44°05′。そんなに距離は無いと思うのですが、6回目のトライでやっと捉えることが出来ました。
撮影・撮像の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 4.0 (64 bit)のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・カブリ補正、GIMPによる色レベル調整・色強調処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年4月20日水曜日
撮影の結果
露出8秒間、総スタック時間15分52秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影しました。
撮影したThe Box Galaxyは、かなりこじんまりしていました。
そして不規則銀河だけのことはあって、形を捉えるのが難しいです。
総スタック時間がもっと長ければと残念です。箱にも見えますが、昆虫類にも見えますね。
撮像の経緯と結果
フラット画像の取得
何はともあれ、フラット画像のゲットです、
FlatAideProで作成します。これでカブリも軽減されるでしょうか。
残念ながら、あまり軽減されませんでした。
色レベルの調整でカブリを軽減する
GIMPの色レベル調整で、カブリの面積を減少させました。
あまりこれをすると、目標天体が暗くなっていってしまうから、完全にカブリをなくすわけにはいかないのが歯がゆい。
色強調で鮮やかに→完成
色がなくて寂しかったので、GIMPの色強調で自動的に色を付けました。
なんだか昆虫みたいになってしまいましたが。
今回は、これで完成とします。淡白な撮像でした。
まとめ
Whale Galaxyの前哨戦だったThe Box Galaxy。
もっと早く撮影を開始しておけば、惜しいことをしました。
この天体、もっとディテールを見たいです。
いつか1時間の総スタック時間をかけて。
そして主焦点で撮影したいです。
コメント
FlatAideProはフラット処理後のフラットムラを補正するのが目的のソフトですのでそのものでフラット処理をするものではありません。
何もしないよりは効果が高いですが、フラット撮影→フラット処理をしても残ってしまったムラを補正するのが目的です。
これより上を望むのでしたらフラット撮影なしには無理かなぁ。
趣味ですのでやってみるのも良いし、このまま楽しむのもアリです。
カメラde遊ingさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
一応今はフラット撮影をしているつもりなのですが、その後のフラット処理というのがよくわかりません。
SharpCapは、ライブスタック中にフラット処理もリアルタイムでやってくれるので、そのことなんでしょうね。フラット撮影しているのにカブリは残るんだなあと思っていましたが、それをFlatAideProで補正する、ということですね。
また一つ整理できました。いつもアドバイス感謝します!
なるほど、フラットも処理されているんですね。
だとしたらフラットが合っていない可能性がありますね。
フラット処理をしているのにこれほどカブリが残るのならフラット撮影をもう少し工夫されるのがいいのかな?
ググるといろんな方の工夫がヒットしますよ。
カメラde遊ingさん、おはようございます。返信が遅くなってすみません。
やっぱりずれているんですかね、実は昨夜も撮影をした時に、フラット処理をしたのですが、カブリが出ました。ライブスタックなので、フラット処理は撮影しながら行います。
撮影開始とフラットファイルの作成の間に時間がありますが、その間に気温が変わり、ズレてしまうこともありますか?
フラットファイルは、SharpCapで作成しています。作成の時には、鏡筒の先にスーパーの袋をかぶせ、撮影予定GAIN、ライブスタックの時間分(さぼって半分以下の時間にすることあり)そのまま撮影、そうすると最後にSharpCapがフラットファイル(フラットフレーム?)を作成してくれます。
でも、昨夜もカブリは出ました。まだまだ工夫の余地がありそうです。
アドバイス感謝します。いろいろと試してみます。
フラットはいつ作っても問題ないと思いますよ。(いやライブスタックなら事前に作らなきゃいけないのか?まぁ事前に用意しておけばいいのかな?)
フラットを作るって事はダークも先に撮っておくって事でしょ?
ダークなしにフラット作成って意味ないですもんね。
ダークは気温とか影響するって言いますね。
SharpCapを使ったことが無いのでその辺りどうなっているのか分かりませんがフラットはダークを引いて作る必要がありますよ。
回りの照明が影響している可能性が高いので、その辺りの対策を踏まえたフラットの工夫をされているサイトを探すのが良いと思いますよ。
あとフードの長さが足りないとかですかね。(遮光の問題)
カメラde遊ingさん、こんばんは。
ライブスタックでは事前に作らないといけないんです。おっしゃるとおりダークも先に作ります。
引いて作る・・・そのあたり、SharpCapが自動的にやってくれている気が・・・調べてみます。
そうか、周りの照明が影響している可能性が高いんですね。いろいろ調べて工夫してみます。
多分フードの長さは大丈夫そう。
色々とアドバイスいただきありがとうございました。