経緯
先般、天文ガイドの付録の季節別方角別で主なDSOを分類したポスターに掲載されている秋のDSOのうち、まだ撮影していないDSOがあることを記事にしました。
この時は、NGC253を撮影しました。
そして先週の土曜日、引き続き、ポスターに記載されているDSOをつぶしていくべく、プチ遠征しました。
ねらいは、管理人の家からでは、障害物などあり撮影が出来ない、くじら座の中間渦巻銀河NGC247です。
寒くなって遠征をするのが大変になってきました。寒いと、色々なことを適当にやるようになりがちですが、そこをぐっと我慢して撮影に取り組みました。
NGC247は先般撮影したNGC253の少し北にあります。ちょうこくしつ座銀河団に属します。
見た目の視等級は9.9ということで、管理人の鏡筒で撮影できる範囲です。
しかし、南の低空ということで、条件は悪かったのですが、何とか撮影は成功しました。
NGC247はとても淡く、撮影に苦労したのと、出来栄えとしてはあまり良くありませんでした。
形はネットで検索すると出てくる画像には近いんですけどね。
↓遠征先の撮影基地
撮影結果
極軸設定
プチ遠征の時は、いつもの窮屈なベランダ撮影とは違って、広々とした場所に望遠鏡を設置でき、極軸設定も、調整が楽にできます。
この時も、1′より誤差を低く設定でき、「Excellent」な極軸設定が出来ました。
南の低空の天体の追尾は、少しシビアな精度を要求されるので、SharpCapの表示は当初「good」になりましたが、あえて、「Excellent」 が表示されるまで追い込みました。
導入
先般のプチ遠征では、南方面には、フォーマルハウトしか恒星が見えませんでしたが、今回はいくつかの恒星が肉眼で確認できました。
NGC247の少し北にある、基準恒星としてはピッタリな、くじら座のディフダ(赤経00h43m、赤緯-17°59′)が肉眼で確認できます。これに基準恒星として、目標天体NGC247(赤経00h47m、赤緯-20°45′)に迫りました。
しかし、目標位置にたどり着いても銀河の影も形もありません。
例のサイトで現在位置を確認したものの、確かに目標位置にたどり着いていて、そこにはNGC247あることを示していました。
見えないなりに、あるはずの銀河をなるべく画角の中央に寄せて、撮影に入りました。
↓ディフダ
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック(リアルタイムダーク補正機能使用)
画像編集:画像編集: SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色レベル・彩度調整
その他:UV/IRカットフィルター使用
ライブスタックをして炙り出すと、確かに銀河が存在しました。
でも、とても淡い!そして、中央ズレた。
中央のズレは修正したらよかったのですが、ロストされるのが嫌で、中途半端な位置のまま撮影を続行しました。
露出8秒間、総スタック時間2400分(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN300、での撮影です。
淡いですね。
これでもかなり頑張って炙り出したのですが、これ以上炙り出すと、ノイズが出始めてしまうので、この写りで出来上がりとしました。
しかし、前回のNGC253の時より、追尾誤差が格段に低く、その点は満足です。
銀河がもう少し明るく写るとなお良かったのですが・・・
まとめ
今回は撮影結果が、ちょっともやもやするものであったことに加えて、今後のプチ遠征の大変さが予測されることを気づいたことが大きかったです。
プチ遠征先は河川敷で、気温が、天気予報のそれより低くなります。その寒さに負けないようにして撮影に臨まないといけません。
ベランダ観測時の気温1度より、寒さが身に染みるので、寒さに負けないようにしないと・・・
NGC247の撮影の出来としては、おそらくこれが限界だったと思います。
GAINを上げて、総スタック時間を上げる手はあります。
実はGAINを350に上げて15分ほど撮影してみたのですが、結果は変わりませんでした。
追尾誤差は気にせず1時間の総スタック時間で臨んでみたいところですが、この銀河については、これで一区切りとします。
残るのは、M76小あれい星雲、NGC55、相手にとって不足はありません。
と言いたいところですが、M76は視等級が12.2とかなり暗く、強敵です。ペルセウス座なので、自宅からでも撮影できるかもしれません。
コンプリートまであと一息です。
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