目次
撮影の経緯
天文ガイド誌の付録のポスターに記載されている冬のDSO11個の撮影を制覇すべく、撮影やその準備を進めています。
特にオリオン大星雲は大物で、明るいところから淡いところまであって、撮影も難しく、3回ほどテスト撮影をしています。
なかなか良いヒストグラムにならずに難儀していましたが、昨夜ようやく、色のバランスが取れて、ヒストグラムを適切にすることが出来ました。
本撮影は、余裕をもって撮影できるプチ遠征で行うことにしていましたが、折角適正な色になったわけですから、このまま本撮影に入ることにしました。
自動追尾などに問題が起これば、プチ遠征して撮影するつもりでした。
結果としては、本撮影に見合う結果を出すことが出来ました。
↓オリオン大星雲追尾中のSV503 102ED、ビクセンスーパーポラリス赤道儀、ビクセンモータードライブMD-6
撮影の経過、総スタック時間別の撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色修正・color enhance処理
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
露出8秒間、GAIN180で撮影しました。
結局多段階撮影までこなすことが出来ず、これまでのテスト撮影から考えて最も適切と思われるGAIN値を使って撮影しました。それが180です。暗くなる分、90分のライブスタックをして、淡い部分まで写るようにするつもりでした。
万全を期するために、オリオン座周辺の散開星団NGC2194でテスト撮影をしましたが、自動追尾の誤差が大きく、極軸を再設定しました。
そして、本撮影に臨みました。
恒星のピント合わせ
昨夜は、ふたご座のポルックスでピント合わせを行いました。いろいろな星で行った方が、新鮮味があるのですが、明るい星が少ないので、結局定番を使用、となってしまいますが、ポルックスはあまり使っていません。
↓明らかにずれています。この撮影の前に木星の撮影をしているので、ズレているわけです。
バーティノフマスクを装着して、ピントを追い込んでいきます。
↓まで追い込んで、ピントを固定しました。多分大丈夫かと・・・
極軸設定と自動追尾状況
本撮影のテストとして、オリオン座のNGC2194を撮影しました。それにあたっての極軸設定の結果は「Excellent」でした。これでうまくいくと思ったのですが、追尾誤差が大きく失敗。極軸は、設定誤差13″まで追い込んでいるのに・・・赤道儀やベランダの床の撓みのせいでしょうか。
今回はもう一度、極軸を設定して、本撮影に再トライしました。極軸の設定誤差は今回も「Excellent」で、設定誤差15″まで追い込みました。これでだめなら、ベランダと違って撓みの無い地面を求めて、プチ遠征です。
その結果は90分の長時間ノータッチライブスタックを行うことが出来ました。安心しました。
なお、二回目の極軸設定の初期誤差は、20′ほどあって、追尾誤差が出るのも当然だったのですね。極軸設定にも、場合によっては賞味期限があるようです。
撮影結果
総スタック時間3896秒
初めてちゃんと南北を意識してオリオン大星雲を撮影しました。カメラde遊ingさんのおかげです。
番外編 (sanpojinさん応援企画 冬のDSOと使用機材の写野): カメラde遊ingのブログ Part2 (cocolog-nifty.com)
斜めになっているより、やはりちゃんと南北がしっかりしている方が美しいです。
総スタック時間4496秒
中心部が飽和ギリギリのところで頑張っています。飽和しないためにGAIN180で臨んでいるのですが、やっぱりオリオン大星雲の撮影は難しい。
総スタック時間4872秒
総スタック時間3896秒の画像とそんなに変わりがありません。やはり数分刻みではそんなに変化は無いようです。
総スタック時間5400秒
そして節目の総スタック時間90分。追尾誤差も許容範囲。中央部分の飽和状況は、ギリギリのところで踏ん張ったという感じでした。
淡い部分は長い総スタック時間で稼ぎましたが、少し物足りない感じです。
何はともあれ、これで撮影を終了しました。
まとめ
これでオリオン大星雲の撮影はクリアとし、冬のDSOの制覇に一歩近づきました。
新しい鏡筒になって初めてのオリオン大星雲でしたが、そこそこうまくいったのではないかと、管理人自身としては納得しています。
GAIN値を180にするのは勇気がいりましたが、赤道儀とモータードライブが長時間ライブスタックに堪えてくれることを祈って設定しました。
結果として、画像の出来、自動追尾の状況、よくできたと思います。
そして、あと六つのDSOが残っています。
オリオン大星雲の次に難しそうなのが、 M45プレヤデス星団です。
画角の狭いASI462MCにはプレヤデス星団の一部しか撮影できず、どの部分を撮影したら一番絵になるのか迷います。
上記のカメラde遊ingさんのwebサイトを参考に進めていこうと思います。
済①かに星雲(おうし座)
済②M35(ふたご座)
③M41(おおいぬ座)
済④M42オリオン大星雲(オリオン座)
⑤M45プレヤデス星団(おうし座)
⑥M46(とも座)
⑦M50(いっかくじゅう座)
済⑧M78(オリオン座)
⑨ハッブルの変光星雲(いっかくじゅう座)
済⑩コーン星雲、クリスマスツリー星団(いっかくじゅう座)
⑪NGC2477(とも座)
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