太陽系には、多くの衛星が存在します。
惑星 | 水星 | 金星 | 地球 | 火星 | (ケレス) | 木星 | 土星 | 天王星 | 海王星 | (冥王星) | (ハウメア) | (マケマケ) | (エリス) |
衛星数 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 79 | 85 | 27 | 14 | 5 | 2 | 1 | 1 |
※( )は準惑星
※木星、土星は未確認の衛星がある。
木星と土星の衛星数が圧倒的に多いですが、なぜでしょうか。
太陽系は巨大な分子雲の一部の重力による収縮が起こったことに始まり、収縮した質量の大部分は集まって太陽を形成し、残りは扁平な原始惑星系円盤を形成してここから惑星、衛星、小惑星やその他の太陽系小天体等ができました。
そして、比較的重い塊(岩石型惑星)は太陽の近くに位置し、軽いガスが集まってできた塊(ガス惑星)は太陽より遠くに位置し、木星や土星となりました。
ところで衛星は、
- 周惑星円盤から同時に「形成」される(木星型惑星のみ)。
- (十分に大きく、浅い角度で起きた)「衝突」の破片から形成される。
- 近傍を通過する天体を「捕獲」する。
によってできると言われています。
木星の衛星は「形成時」と「捕獲」によってできたと言われています。
ガス惑星である木星が形成される過程で残ったものが円盤状の物体として残り、それらが集まって衛星が形成されたと言われています。
木星の近くにあるガリレオ衛星は木星になれなかったものだと言われています。
そしてもう一つ、木星の衛星の数が多い理由は質量と重力に関係があると言われています。
木星の質量は太陽系の惑星の中では一番大きく、地球の質量の約318倍です。それだけの質量があるので木星が形成される際に周惑星円盤が作られ、衛星形成がされやすい状態となったからです。
また、木星が形成された後も近くにあった小惑星などの小天体を衛星として「捕獲」することができたからだと言われています。
もう一つは重力です。太陽から遠いため重力圏が広い木星は太陽系外縁部からの小惑星を重力で「捕獲」します。引き寄せされた小惑星は消滅したり衛星の基礎となったりします。
もしも木星がなかったら地球に巨大隕石が降る可能性が1000倍以上に上がると言われています。
地球が存在できるのは木星があるおかげなんですね。
なお、土星の衛星数も、確認されている数としては一位ですが、木星と同じ理由です。
今年は、木星、土星が注目を集めていますが、土星の衛星にも注目しておきましょう。木星のガリレオ衛星は双眼鏡で見ることができるくらい明るいのですが、土星の衛星は8等級のタイタン以外は10等級と暗めなので、やや口径の大きな望遠鏡でないと見つけにくいこともあります。
しかし、東西一直線に並ぶ木星の衛星たちと違って、土星の環の傾きに似たような動き方をしますので慣れないうちは見つけにくいかもしれませんがぜひこの夏をチャンスにじっくり観察し何個確認できるか注目してみてください。
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