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【天体観測機器】星を止められる焦点距離と、アンドロメダ銀河に感動しました

星雲・星団・銀河に関する情報
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ねらい

10分のコマを複数撮影し、追尾誤差の規則性の把握を狙っていました。しかし、あいにくの曇り空、おまけに雨まで降りだす始末。
一旦ベランダ観測基地は撤収しましたが、その後雨はやんで、切れ切れではありますが、星も顔を出し、再度ベランダ撮影基地を設営しました。

しかし、10分の複数コマを撮影するのに十分な晴れた空の部分がなく、撮影を始めてもすぐに雲に邪魔され、狙っていた複数コマ撮影は、あきらめざるを得ませんでした。
早く雲に邪魔されない季節がやってこないでしょうか。

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NEWポラリス赤道儀で星を止められる焦点距離

撮影がうまくいかないので、ちょくちょくお世話になるブログを、ベランダでつらつらと読んでいました。そこで、改めて分かったことがあります。
焦点距離と追尾誤差の関係です。

以前こたろうさんが、管理人のASI462MC(画角2.8″)とSV503 102ED(f=714mm)の組み合わせでノータッチ撮影をすることは焦点距離5000mmで撮影するようなもので、星は止められないとのコメントをいただいています。
このテーマに関して、興味のあることが、そのブログに記載してありました。

追尾に必要な精度と赤道儀 | 天体写真の世界 (main.jp)

焦点距離ごとのガイドエラーの許容範囲がまとめられていて、正直驚きました。
焦点距離500mmで許容されるのは、なんと、4.1″!

管理人のSV503 102EDにレデューサーつけると、焦点距離357mmになります。
きっと、SV503 102EDの許容値も4″くらいなのでしょう。
この許容値は、逆に考えると、星を止めるのに必要な、赤道儀の精度ということになります。(でいいのか?)
もちろん焦点距離が長くなるほど許容値は小さくなっていきます。

先般試算した、愛機NEWポラリス赤道儀のピリオディックモーションは、

±38.925″でした。
この追尾精度を許容するのは、遥かに短い焦点距離ということになります。
ビクセンのNEWポラリス赤道儀、スーパーポラリス赤道儀、GP赤道儀のピリオディックモーション±20″から±40″とのお話を訪問者さまからお聞きしたこともあります。
もともと、天体望遠鏡で完全に星を止めることは、訪問者の皆さまがおっしゃるように、不可能だったんですね。
最近はオートガイドがデフォルトになっているようですし。

これまで自分がNEWポラリス赤道儀に求めてきたのは、ありえない要求だったようです。
もちろん、完璧な追尾は求めていませんでしたし、それはこれまでも一緒です。
何とか出来る限り追尾誤差を少なくして、自分が許容できる撮影をしていきたいです。

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アンドロメダ銀河を撮影して感動

目標天体の決定

ベランダで、上述したようなことをネットサーフィンしていたら、東の空が、大きく開けていることに気づきました。
時間は遅かったですが、被写体の天体を物色していたところ、何と、あのアンドロメダ銀河が撮影できることが分かりました。

画角の狭いASI462MCでは無理とあきらめていたのですが、望遠鏡がSV503 102EDになって、レデューサーを使用したら、そこそこの撮影範囲を稼げます。昨夜の撮影目標は、アンドロメダ銀河(赤経00h 42m 、赤緯+41° 16′)としました。

基準恒星の選定

選定するほど星は見えていませんでしたが、ラッキーなことにアンドロメダ銀河に近い、アンドロメダ座γ星アルマク(赤経02h 03m 、赤緯+42° 19′)を基準恒星にしました。

アンドロメダ銀河の導入

一回導入に失敗して迷子になりそうでしたが、例のサイトのお世話になり、修正一回で導入できました。
その姿(↓はスナップショット)は、もう、間違いなく、アンドロメダ銀河だろうと思わせるものでした。

撮影開始

[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセンNEWポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDレンズアポクロマート。×0.5レデューサー使用
カメラ:CMOSカメラASI462MC
自動追尾:MD-6(ビクセン)、
撮影:SharpCap 3.2 (64 bit)
画像編集: SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用

いつも思うのですが、ライブスタックはとても楽です。画像の炙り出しまでできます。今は十分そのクオリティに満足しているのですが、Photoshopとかの画像編集ソフトで編集したら、手間はかなりかかるようですが、奇麗な画像になるのでしょうね。

露出8秒間、総スタック時間2400秒、GAIN300~330。
これが若いころから憧れていたアンドロメダ銀河か!
正直なところ、声に出して「おーー」と言ってしまいました。感動しました。
アンドロメダ銀河は広がりがあるので、もっとスタックしたら、おそらく、画角からさらにオーバーしそうですが、総スタック時間がドンピシャだったようで、画角にピッタリ収まりました。
塵の帯も確認できます。

因みに右隅下にあるのはM32です。

はじめてアンドロメダ銀河をみたのは、星見を始めた高校生の頃ですが、その時には撮影は出来ず、望遠鏡では雲のようなものが見えただけでした。これがアンドロメダ銀河?ってがっかりした思い出があります。
なお、レデューサーは付けたものの40分の長時間スタックも影響して追尾誤差が発生し、上部に黒い帯ができました。しかし、十分許容範囲です。

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まとめ

ガイドエラーの許容値を見て、あ、管理人のNEWポラリス赤道儀で十分なんだと思いました。
そして、管理人の望遠鏡では、大きな追尾誤差が出て当然かもとも思いました。
しかし、天候がもっと良ければ、追尾誤差軽減に向けた色々な確認実験ができるのに、歯がゆい!

アンドロメダ銀河は、高校生の時代からの夢がかなった気持ちでした。
ここまで見えたのはSV503 102EDのEDレンズのせい?IR/UVカットフィルターのせい?
恒星を明確にするために、最近IR/UVカットフィルターは装着しっぱなしですが、恒星はともかく、銀河や星雲の見え味への影響はどうなのだろう。

雨にも降られ、観測できない時間はありましたが、それが、自分をアンドロメダ銀河に導いてくれた気がします。しかし、40分間雲のない切れ間に、ずっとアンドロメダ銀河が居座ってくれていたなんて、神がかりです。
さすが、アンドロメダ銀河です。

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コメント

  1. まいくろ より:

    先日のM27も、今回のM31もよく写っていて凄いなぁと思います。

    >>もともと、天体望遠鏡で完全に星を止めることは、訪問者の皆さまがおっしゃるように、
    >>不可能だったんですね。

    ↑この部分、正しくもあり、誤りでもあり。「完全に星を止める」=「恒星を点状に撮像
    する」とした時、その条件に、望遠鏡の焦点距離、撮像素子の細かさ、赤道儀の追尾精度
    (主にPM)を挙げてますが、もう一つ「時間」があります。時間がごく短ければ、星は点
    状に写ります。実際に「8秒露出をライブスタックで40分間ぶん」重ねてM31の画像を
    得ていますよね?フィルム時代だったら「40分露出を1コマ撮影」となり、線状に写るの
    は避けられませんでしたが、今は、撮像素子とソフトを組み合わせて「短時間露出」と「ス
    タック」によって、「長時間露出に相当する、恒星が点状の画像」を得ることが可能です。
    許容範囲は短辺の1/10以内、という所でしょうか?「黒い帯」が発生するのは避けら
    れませんが、時間に比例して大きくなることはなく、許容範囲内に収まるはずです。

    • sanpojin より:

      まいくろさん、こんにちは。

      写真を褒めていただき本当にありがとうございます。訪問者さまに褒めていただけるのが一番幸せです。

      あー、なるほど「時間」ですか。確かに焦点距離では、点像にするのが難しくても、短時間の露出を重ねれば、いかにシビアな状況でも星を止めることが可能ですね。
      自分でやってて気が付きませんでした。
      許容範囲は、1/10に収まれば完全に理想的です。色々実験を重ねて、そのレベルに辿り着けたら。。ただ、やはり時間の経過によって黒い帯は太くなっていきます。ピリオディックモーションは蓄積しないという話でしたが、どうしてなんでしょうね?やはり他の要因が影響している、ということですよね。

      いつもありがとうございます。アドバイス感謝します。

  2. Sam より:

    sanpojinさん、こんにちは。
    M27といい、M31といい、着実に進歩していますね。オートガイドなしでもLiveStack撮影で星像が流れることなく、淡いところまで相当出ていて、新しい鏡筒も十分力を発揮していると思います。まさに継続は力なりだと思います。

    今の機材と技術で撮影できそうな星雲や銀河が沢山あると思います。まだまだ思いっきり楽しめそうですね。素晴らしいです。

    • sanpojin より:

      Samさん、こんにちは。

      写真を褒めていただきありがとうございます。私の撮影スキルはほとんどSamさんからの指導によるものです。本当に感謝しています。
      空には星雲や銀河、星団がたくさんあって、目移りしてしまいます。メシエ天体を中心にとは思っています。
      天候には勝てませんが、青空が見えるときは、望遠鏡を準備します。これからも良い写真を撮っていきたいです。

      いつもアドバイス、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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