アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「ホープ」を搭載したH2Aロケット42号機が2020年7月20日午前6時58分、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げられました。打ち上げ事業者の三菱重工業によると、ホープは約57分後に予定の軌道に投入され、打ち上げは成功しました。H2Aの打ち上げ成功は36回連続で、成功率は約97・6%になりました。
UAEの宇宙機関「ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)」から受注した火星探査機「HOPE」を打ち上げました。火星を周回し水蒸気やちりなどを調査する目的で、2021年2月に火星を周回する軌道に入ります。
中東の国が飛ばす初の火星探査機となります。そして、三菱重工が火星探査機を送り込むのは初めてです。
20日の記者会見でMBRSCのユーサフ・ハマド・アルシャイバニ長官は「美しい打ち上げを感謝しています。日本のパートナーと近い将来一緒に仕事をするのが楽しみだ」と話しました。同国は石油など資源に依存する経済からの脱却のため、宇宙探査など科学技術分野の強化に注力しています。2117年の火星への移住計画を進めています。
三菱重工のH2Aロケットは今回で42号機になり、同世代機の「H2B」と合わせて45回連続で打ち上げに成功しました。成功率は両機種合計で98.0%と、世界水準の95%を上回り続けています。
H2Aの海外顧客からの受注は今回で4回目となります。三菱重工の阿部直彦防衛・宇宙セグメント長は「信頼の高さを次世代ロケット『H3』に引き継いでいく。少しずつ海外顧客に利用してもらえている」と手応えを語りました。今回の打ち上げが海外の重要プロジェクトを受注する呼び水となることを期待しています。
火星と地球が約2年2カ月ぶりに近づく今夏は、火星探査機を積んだロケットが海外で相次ぎ打ち上げられます。日本は24年度にJAXAが主導する火星衛星探査計画「MMX」を予定しており、三菱電機が探査機システムを受注し、川崎重工業がサンプリング装置を開発するなど国産技術を結集する方針です。
両社・両国にとってとても良いプロジェクトですね。2117年の火星移住に夢があります。実現してほしいと思います。
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