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【管理人の夏休み】屈折望遠鏡の歴史 その6 十字線の発明

天体観測情報
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17世紀のヨーロッパ

神聖ローマ帝国とその周辺国は、30年戦争に巻き込まれたので、天体観測が自由にできたのはイギリスとフランスだけでした。
イギリスは対岸の火事、フランスは名宰相リシュルーの巧みな外交で戦争を避けることができていました。

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バーニア目盛の発明

フランスに、天文好きのグループが各地にありました。その中にピエール・ベルニエのグループがありました。ベルニエ=バーニア(英語読み)だったんですね。
現在われわれが使っている主尺から0.05mmまで読めるバーニア目盛が使えるようになったのは、彼らのグループの功績です。
この発明のおかげで、度盛環が非常にコンパクトにできるようになりました。

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レンズ無しの六分儀の発明

一方イギリスでは、R.ノーウッドが、レンズ無しの六分儀を発明していました。
彼は、1663年にこれで地球の大きさを測りましたが、その値は、現在の計測値と0.5%の誤差しかありません。

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十字線発明のきっかけ

ランカシャー州の牧師、J.ホロックスの仲間、ウィリアム・ガスコアは、全く偶然に、一匹のクモがケプラー式望遠鏡の対物レンズと接眼レンズの共通焦点に、縦と横に糸を張っているのを見つけました。
普通なら、天体観測をサボっていた証拠として取り去ってしまうところ、彼は違いました。
彼は十字線に関する重要なヒントを与えられたことに気づき、望遠鏡でしか見えない小さな星の間の角距離を1″までただちに求めることができるだろう、と言ったそうです。

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十字線の持つ意義

①天球上の星の位置を正確に測定できます。十字線が無いと望遠鏡が向いている方向が定まりません。
②像の歪曲による測定の不正確さがなくなります。へべリウスとフックの論争はまさにこの問題に起因していました。へべリウスが肉眼による恒星の位置観測にこだわったのはこの不正確性のせいです。彼は、この点に関して、フックとの間で長年にわたる消耗的な論争をしました。

③十字線と星像が同じところにあるので、同時に両方ともピントが合う。望遠鏡や銃のファインダーがまさにそうです。
④当たり前ではあるりますが、十字線も拡大するので、肉眼で見える物以上に細かいものまで見分けられます。

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まとめ

十字線やら何やら、とっ散らかった感がありますが、十字線発明のきっかけはクモであったかと考えると、発明はどこに潜んでいるか分からないということですね。
また、そもそも、人に歴史ありとは言うものの、十字線にも歴史があるんですね。今回も勉強になりました。

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