目次
経緯
大物の銀河を撮影して、今一つの出来で妥協した銀河が、しし座非棒渦巻銀河NGC3628(以下「銀河」という)です。(2021年3月18日撮影)
とにかく大きそうな銀河。
これを撮影した時は、まだメイン望遠鏡がビクセン社NEWポラリス80Mで、口径80mm、焦点距離910mm、アクロマートオールコート。
銀河の撮影には限界もあります。
かなり無理して撮影した感じです。
当時は、塵の帯が写ったりして、それなりに感動はしたのです。妥協はしましたが・・・
しかし、今見返してみると、再編集をしたい気持ちが持ち上がってきました。
天体画像編集の経緯と結果
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、f=910mm、×0.5レデューサー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)
撮影及びスタック:SharpCap 3.2 (64 bit)で撮影・ライブスタック
撮影場所:自宅ベランダ
元画像
↓元画像。記録によれば、編集した気配がありません。当時はこれだけ写っただけで満足だったんですね。
↓これから編集するのは、若干総スタック時間が短いもの。背景が明るすぎるもので、少し自分に試練を与えました。
フラット画像の作成
いつものように、FlatAideProでフラット画像を作成します。果たしてどこまでカブリがとれるでしょうか。
結果は↓ですが、残念ながら、ほとんど元画像と変わりなく・・・
恒星無し画像を作成
銀河と背景への編集に注力するため、恒星無し画像を作成しました。
いつものようにFlatAideProのStarNet++を使います。
↓恒星無し画像
何故か消えない恒星が多い。元画像が霞がかかっているからだろうか。
でも、とにかくこの画像をベースにGIMPを使って編集していきます。
背景を宇宙っぽく
元画像は、背景が宇宙っぽくないので、これまたまいくろさんから教えていただいた、色レベル調整を使いました。黒のスポイトを背景に垂らしたところ、銀河を暗くすることなく、背景が宇宙っぽくなりました。
かえって銀河が引き立つ結果となり、素晴らしい機能です。
背景をさらに宇宙っぽく
しかし、背景にはまだ青みがかかったノイズが残っています。気になったので、トーンカーブで青系統を調整して、ノイズをほぼ消すことに成功しました。銀河の色もフラットに近づきましたね。
銀河を明るく
トーンカーブ調整の影響で、少し暗くなってしまった銀河。影-ハイライトで、shadow値を上げて、銀河を際立たせました。
銀河に着色した色を消す
銀河の色が紫っぽくて気になったので、トーンカーブの青系を調整して、フラットな色に修正しました。
これで恒星無し画像の編集は終了です。
恒星のみ画像と合成・完成
編集の完了した恒星無し画像と、恒星のみ画像を合成しました。
編集はここまでです。
出来栄えはいかがでしょうか?銀河の色が変ですかね?
まとめ
結果としては、銀河が際立ち、コントラストも高くなり、良い具合に仕上がったのではないかと思います。
この頃はUV/IRカットフィルターを使っておらず、恒星も膨張してしまっていたのですが、そのせいか、恒星無し画像に、恒星が写りこんでしまいました。
まあ実害は無かったのですが。
まいくろさんや、カメラde遊ingさんのおかげで、かなり画像編集のスキルが上がったと思います。
感謝いたします。
コメント
NGC3628 について。
私は不精者なので、フラッド画像を得たら、
・恒星有り、無し画像に分離しない。
・「黒スポイト」で背景を黒くしすぎて銀河周辺部の淡い部分を潰さないよう、数値で微
調整する。
・カラーバランスは、GIMPの「自動補正」では上手くいかなかったので、
「色」→「カラーバランス」「色レベルの調整」で、赤青緑の数値で調整する。
で、おしまい。
銀河周辺部の淡い部分が写っていることに満足し、もしそれが不満ならば次回の再撮影意
欲へとつながります。(永久ループ?笑)
まいくろさん、ありがとうございます。
今夜はしし座のM66を撮影したのですが、その方法でやったらとても自然な感じに仕上がりました。確かに黒スポイトだと銀河も犠牲になってしまいますからね・・・
カラーバランスもなかなか良い感じでした。確かにもくもくとか銀河周辺部の淡い部分はいいですよね。
画像編集も色々方法がありますね。まだまだ勉強不足です。
これからもよろしくお願いします。