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【天体観測】昼間極軸設定用の床マーキングを初使用して太陽撮影

太陽に関する情報
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撮影に至る経緯

先日の記事で、太陽観測をサボり気味なこととその理由、対応策(床マーキング)について記載しました。

そして昨日の昼、床にマーキングした位置にビクセン社NEWポラリス80M(以下「NP80」と言う)を設置して、太陽の撮影を行いました。太陽観測に関しては床マーキングを初めて実戦投入したわけです。

実は昼間ゆっくりしすぎて、太陽はいつの間にか屋根に近づいていました。
それが災いしてというか幸いしてというか、色々問題点が炙り出され、うーんと唸らされました。

次の太陽観測の時に、確認しないといけないこともあります(かなり大事)。

しかし、マーキングを使った初撮影はまずまずストレスなく成功しました。床マーキングによって誤差17″に近い極軸設定精度が再現されたということですね。
いくつかの問題点をクリアできれば、楽しく太陽観測を続けられます。

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撮影基地の設置とその問題点

撮影基地設置

まずは当然、三脚用の3点の床マーキングにNP80の三脚を設置し、次に、カメラの装着やら配線やら行い、一式揃った撮影基地を立ち上げました。

この位置ではパソコン画面が見えない

今までは、極軸の南側にパソコン等を配置していたので、パソコン画面が見えなくなるということはなかったのですが、このセッティングだと、太陽の光をパソコン画面がもろに受け、何も見えなくなります。
そこで撮影基地を、もう少しタイトにしました。

色々な物が遠い

↓とてもタイトですが、この体制で太陽撮影に成功しました。
しかし、その過程はなかなか難しい感じでした。
まず操作性です。
色々な物が遠いのです。さすが長焦点鏡筒80Mです。

まず遠いのは、とても大事なフォーカスノブ。パソコン画面をなるべくフォーカスノブ側に向けて、手を伸ばしてピント合わせをします。
これがなかなか大変で、微妙な調整の段階になると、かなり疲れます。

赤緯微動ハンドルは、鏡筒がこの向きになると、反対側に行ってしまいます。
導入などの際に、かなり手を伸ばして掴んで、かなり曲げて使いました。(普通はもっと短い微動ハンドルでしょうけど・・・)

CMOSカメラも遠いです。昨日はそういう場面はありませんでしたが、カメラの角度を変えたい時など、恐らくこの設置では不可能です。

さらに、カメラを外して、バローレンズを装着したり、レデューサーを外したりすることができません。
遠くて、固定ねじを回すことが出来ないし、両手が届かない。鏡筒を一旦北向きに戻す(=太陽はアングルから外れる)ことが必要です。

太陽を導入するのが難しい

まず、ファインダーを覗くことはできません。
これは、以前まいくろさんにもコメントいただいていたように、パソコン画面を見ながらファインダーの影が円になるまで鏡筒を動かして、導入が可能です。実際これは昨日実践して成功しました。

しかしこの設置ではファインダーの後ろに紙を置いて丸くなるまで鏡筒を動かす、ということはできないので、ベランダの柵を、紙代わりに使いました。
ただ、柵はファインダーと直角ではありませんので影が歪み、その上で鏡筒を操るのが難しく感じました。

ピントは合わせられるのか

とにかく、カメラからベランダの柵までの距離がタイトです。
↓これは、レデューサー使用時のピント位置。
ぎりぎりでピントを合わせることが出来ました。
このあと、太陽が屋根に隠れたので、鏡筒を東側に移動させて撮影を続行しようとしたところ、鏡筒が色々なところに干渉して、太陽を再導入できず・・・鏡筒が東側に設置できれば太陽は見えていたのに・・・

しかし、レデューサーを外して主焦点で撮影する際、↓の余裕で、ドローチューブの繰り出し幅に対応できるのかというと・・・・

↓これだけ繰り出すことが必要です。約8cm+カメラの余裕が必要というわけです。
この設置で、それだけの余裕がもてるかどうか。問題は多いです。

最終的に撮影基地は・・・

主焦点の撮影のためのカメラ取り外しが出来なかったこと、手狭で鏡筒を極軸の東側に配置できなかったことから、最終的にPM80はマーキングを離れ、いつもの極軸を真北に設置しての撮影となってしまいました。
したがって、主焦点を用いる撮影が、マーキングの場所で行えるかどうかは、後日の早い時間に持ち越しです。

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撮影結果

[撮影、画像処理に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社NEWポラリス赤道儀
鏡筒:ビクセン社80M(D=80mm、f=910mm、F値11.4、アクロマートオールコート)
カメラ:CMOSカメラZWO社ASI120MC-S
自動追尾:ビクセン社MD-5
撮影及びスタック:FireCapture2.6、AutoStakkert3.1.4
画像編集:RegiStax 6でWavelet処理
その他:広範囲画像(①)は×0.5レデューサー使用。その他は主焦点撮影。

①13:45撮影

昨日は、黒点群こそ少ないものの、少し賑やかな感じで、目を楽しませてくれました。
C群が二つというところでしょうか。中央下の黒点群はなかなか立派です。

これは床マーキングの位置で撮影したもの。太陽は、完全ではなかったですが止まりました。
これならストレスなく撮影できます。
床マーキングは、まずは成功です。

Duration=59.959s、Shutter=1.058ms、Gain=3 (3%)

⓶14:36撮影

主焦点による撮影、すなわち、床マーキング上ではない撮影でしたが、真北の精度がそこそこ良かったのか、いつもより太陽は止まっていました。

なかなか立派な黒点群です。太陽観測を始めて、最大くらいではないでしょうか。
残念ながら、もう少しピントが欲しかったですね。霞みがちな空ではありましたが。
あと、もう少し明るさも欲しいです。次回の撮影ではGAINを上げてみます。

Duration=60.055s、Shutter=1.058ms、Gain=30 (30%)

③14:34撮影

これも主焦点による撮影です。
正面から見たら、かなり立派な黒点群なのではないかと思われます。
半暗部もそれなりに大きく、立派な黒点です。
早くこういうのが沢山観測できる時期が来ないかなあ。

Duration=60.006s、Shutter=1.058ms、Gain=30 (30%)

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まとめ

何だか問題山積みのスタートとなりました。ベランダの隅で長い鏡筒を扱う大変さについて、ここまでは想定していませんでした。

一番の問題は、主焦点撮影でカメラがベランダ柵に干渉しないかということです。
これは今日確認しようと思います。

その他の問題は、手間さえ惜しまなければ、何とかなる問題です。
撮影で太陽が動いてしまう方が問題ですから、その他の問題は、面倒でもクリアしたいと思います。

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コメント

  1. Sam より:

    Sanpojinさん、ご無沙汰しています。ブログは毎日欠かさずみています。ホントに毎日更新で頭が下がります。

    ご存知かもしれませんが、太陽用のファインダーがあります。
    https://www.svbony.jp/Solar-Finder-Scope-Fully-Metal-for-Sun-Positioning/#F9168A
    私は他のメーカーのを使っていますが、SVBONYが最安に近いかと思います。これがあるとかなり便利です。

    • sanpojin より:

      Samさん、コメントありがとうございます。

      ブログに関しては完全にルーティーンになっており、更新しないと落ち着きません(笑)

      これ便利そうですね。僕も前に知ったのですが、鏡筒への取り付け方が分からなくて、ペンディングにしておりました。
      欲しいなあと思ってはいるのですが、そんなことなものですから・・・
      これ、横から覗けるんですよね。これから春、夏と太陽光が強くなってきますから、こうしたグッズは欲しいですね。
      取り付け方をもう一度研究してみます。

      いつもアドバイス感謝です。これからもよろしくお願いします。

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