撮影の経緯
木星の高度があるうちに、ビシッとした画像を得たいと思っています。そのためには、何と言ってもピントとシーイングです。日本はシーイングが悪い国だそうですが、甘えてはいられません。
月は、誤ってIRパスフィルターを買ってしまった時に、ためしにこのフィルターを使って月を撮影してみました。
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×2バローレンズ使用
カメラ:CMOSカメラZWO社ASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影及びスタック:FireCapture2.6、AutoStakkert3.1.4
画像編集:RegiStax 6でWavelet処理
その他:UV/IRカットフィルター使用
目次に戻る▶▶
木星(2021年12月15日撮影)
画像①
どうしてもこの程度が限界なんですねー。赤道帯の縞模様とか写ってはいますが、キレに欠けます。
画像⓶
少しずつピントをずらしながら撮影・撮像していますが、それでもこの程度の出来ばえ。
もしかすると、この辺りがピントのベストなのかもしれないです。
目次に戻る▶▶
月(2021年12月9日撮影)
月齢4.8の月です。IRパスフィルターを使って撮影すると、どんな感じになるのでしょう。
まずは、IRパスフィルターを使わずに撮影しました。
IRパスフィルター未使用
まずまずの出来です。月はいつもまずまずで、これは素晴らしいというレベルのものがないです。
IRパスフィルター使用
720nm以上の近赤外線を透過させる、というのはこういうことなんでしょうか。白など普段見ている明るい月の光は通さないと。青系の感じですね。
幻想的な月の画像が出来上がりました。
目次に戻る▶▶
まとめ
木星はいつものようにピントとの戦い。今回はまずまずな出来と評価しましょう。
月は、はじめてIRパスフィルターの威力を知りました。確かに赤い光は混ざっていないようですね(笑)
目次に戻る▶▶
コメント
こんにちは。
赤外線には色情報は含まれていないので、赤外線撮影はテレビの番組などでよく見るように白黒の画面になります。
ただ、カラー CMOS カメラの場合、各 R,G,B 素子によって赤外線への感度特性が違いますので素の状態だとカラーバランスが崩れます。
SharCap の場合はヒストグラムを見ながら RGB のスライダーでカラー調整するか、撮影後の画像をPhotoshopのような画像ソフトでカラー調整すると良いと思います。
きよりんさん、アドバイス、ありがとうございます。
僕のASI462MCは、そのままの状態ですと、どんな撮影でもカラー調整が必要ということでしょうか?
これまであまりカラー調整というのを重視してこなかったのですが・・・
いただいたアドバイスですみません、もう少し詳しく教えていただけますか?
こんにちは。
カラーカメラは光の三原色をデーターとして記録します。一般的な写真用のデジタルカメラの場合、このデーターが自然な発色になるように調整されて販売されています。光の三原色はRGBが全く同じ量で混ざった場合なった場合はホワイトになりますので、これを調整することをホワイトバランス調整と言います。
ところが、天体用のカメラの場合、出力されるデーターに一切の調整はされていません。この方が天体撮影には都合が良いからです。ですので、撮影した結果の発色はユーザーが決定することになります。
デジタル写真撮影の基礎知識は天体撮影においても非常に役に立ちますので、写真撮影入門書などで研究されることをお勧めします。
きよりんさん、おはようございます。
ホワイトバランスというのはそういうことだったんですね。情けないことに初めて知りました。
天体写真のカラーバランスはユーザーが決める、これも初めて知りました。撮影ソフトの機能で自然とそういうことをしていたようですが、理論として知ったのは初めてです。
早速、入門書を購入して研究したいと思います。
今回もアドバイスありがとうございます。これからもよろしくお願いします。