撮影の経緯
話は2021年12月10日にさかのぼります。
ぎょしゃ座の赤い散光星雲の撮影に成功して、もっと赤い星雲を撮影したいと思っていました。
撮影しやすいぎょしゃ座の近場で良い天体はないだろうか・・・
ありました。ふたご座の散光星雲IC443「クラゲ星雲」です。
名前がユーモラス。
敷居の高い赤い星雲、上手に撮影できるでしょうか。良いクラゲに出会えますように・・・
撮影の経過と結果
恒星のピント合わせ
バーティノフマスクは自分の体の一部になったようです(大袈裟)。とにかく便利で、これまで目視で行ってきたピント合わせをあっという間にしてしまいます。
この日は、ふたご座のポルックスでピント合わせしました。
極軸設定
暗い星雲が相手ですので、ライブスタック時間は長くとりたいです。したがって、設定も「Excellent」な設定を目指します。
誤差17″まで追い込みました。これで長時間ノータッチライブスタックが出来るはずです。
結果としては、112分24秒の長時間追尾を実現できました。
撮影中に部屋に戻って、少し横になったら寝落ちしてしまい、知らない間に、こんなに長い時間のライブスタックが成功していました。(このパターン前にもありました)
スーパーポラリス赤道儀とモータードライブMD-6、絶好調でした。こんなに長く誤差の少ない追尾ができると幸せな気持ちになります。
基準恒星と目標天体の導入
この時あまり下調べをしていなかったので、クラゲ星雲がふたご座のどのあたりにあるのか分かりませんでした。ふたご座で見えているのはポルックスとカストルだけです。
安易ではありましたが、ポルックス(ふたご座ベータ星、1等星、赤経07h45m・赤緯+28°01′)を基準恒星としました。
目標天体のクラゲ星雲(赤経06h17m・赤緯+22°31′)までは、少しだけ距離があります。
そして、赤い星雲のいつものパターンで相手が見えません。
とにかく目標座標を導入し、例のサイトで確認して、3回目のトライで導入に成功しました。
↓ポルックスです。
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
露出8秒間、総スタック時間6744秒( 112分24秒 、リアルタイムダーク補正使用)、GAIN300。で撮影しました。これだけ総スタック時間をとれば、かなり炙り出ししてもノイズは少ないだろうと思っていました。
視直径が広いので全体を捉えことはできませんでしたが、一応赤い星雲を捉えました、という感じです。ここまで捉えられれば、満足です。
しかし、相手は暗く、そこそこ見えるまで強調するとノイズがかなり出ます。112分のライブスタックでも足りないんですね。
まとめ
ノイズが多かったものの、クラゲ星雲の一部分を撮影することが出来たことは、祝着至極です。
これからも赤い星雲を見つけては撮影していきたいですが、北アメリカ星雲のように広い星雲が多く、
画角が被写体に埋もれてしまうという状況は多いです。
今回もそのようなものです。
それでも赤い領域が写れば、それで嬉しいのが今の管理人の気持ちです。
バーナードループとか良いですね。憧れます。
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