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オリオン大星雲は撮影となると、難しい天体
オリオン大星雲は、肉眼でも確認でき、双眼鏡、小口径天体望遠鏡で十分楽しめる天体です。
この冬、管理人は眼視や撮影で楽しみました。
このような身近な天体ながら、オリオン大星雲は、撮影となるとなかなか難しい存在でした。
難しいのは、何といっても、中心部が飽和せず、まんべんなく、暗い部分から明るい部分まで、その様子が分かる画像を撮影することです。
撮影の軌跡
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、×0.5レデューサー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)
撮影及びスタッキングソフト:SharpCap 3.2 (64 bit)で撮影・ライブスタック
画像編集ソフト:SharpCap 3.2 (64 bit)、GIMPで炙り出し
撮影場所:自宅ベランダ
2021年2月17日撮影
露出30秒間、総スタック時間1200秒間、GAIN100。
SharpCap使い始めのこのころ、まだ炙り出し機能を知らず、GIMPで炙り出しをしておりました。
これなんかは、中央部の様子がそれなりに分かり、星雲の広がりもまずまず分かります。
露出30秒間で追尾誤差も大きいですが、当時はこれで満足しておりました。
2021年2月22日撮影
露出30秒間、総スタック時間1240秒間、GAIN170。
露出を変えずに、GAINを上げたら、中央部が飽和してしまいました。露出が30秒間なら、GAINは100程度にしないといけないようです。
2021年2月24日撮影
露出8秒間、総スタック時間1200秒間、GAIN180。
Samさんにアドバイスをいただき、露出を8秒間に短縮しました。追尾誤差は激減しました。
露出8秒間でも、GAINがこの程度なら、十分な炙り出しが出来ていました(と、当時は思っていました)。
中心部も観測が出来ます。
2021年2月28日撮影
1枚目
露出8秒間、総スタック時間1376秒、GAIN250。
一転、追尾誤差がとても大きくなりました。
また、このころから、オリオン大星雲は、管理人のCMOSカメラの画角(2.8″)には収まりきらないのではないかと気づき始めました。
2枚目
露出8秒間、総スタック時間1264秒、GAIN200。ヒストグラムでの炙り出しは、まだその真価に気づいてない頃・・・
この日は極軸の設定が甘かったみたいですね。ひどいわ・・・
2021年3月2日撮影
露出8秒間、総スタック時間1224秒、GAIN200。
ヒストグラムの黄色い点線を思い切って色の山までもっていくことを会得し始めました。
色の付け方は、まだかなり未熟です。
このころから、オリオン大星雲はGAIN200が規定値になりつつありました。
2021年3月3日撮影
露出8秒間、総スタック時間1200秒、GAIN290。
試しにGAIN高めに撮影したものと思います。290では、中心部はほとんど飽和してしまいます。
2021年3月8日撮影
露出8秒間、総スタック時間、GAIN200。
炙り出しの仕方がわかってきて、壮大なオリオン大星雲の姿を撮影できるようになりました。
そして、先に述べたとおり、やっぱりオリオン大星雲は、ASI462MCの画角に収まりきるスケールじゃないことを知りました。
2021年3月10日撮影
1枚目
露出8秒間、総スタック時間1384秒、GAIN200。
オリオン大星雲のGAINは200が適当でしょうか。
欲が出てきて、もう一息、迫力があるといいなあと思っていました。
2枚目
露出8秒間、総スタック時間1320秒間、GAIN200。
最初の10分間をGAIN180で、残りを同200で撮影しました。中心部分を飽和させないために。
1枚目とあまり変わりがありません。炙り出しのレベルも違うかもしれませんが、こちらの方が、中心部分が見えにくいですね。
2021年3月11日撮影
1枚目
露出8秒間、総スタック時間1360秒、GAIN前半600秒180、後半270。
中心部分も美しく撮れています。GAIN値を分けたせいか、中心部分もそこそこ観測することができます。
2枚目
露出8秒間、総スタック時間2616秒、GAIN250。
思い切って、総スタック時間を約40分に延長しました。
炙り出しの感覚の違いはあるかもしれませんが、なぜか、1枚目より淡白な結果となりました。
40分と20分の違いはないのかもしれません。
2021年3月14日撮影
露出8秒間、総スタック時間1264時間、GAIN200。
中心部分は飽和せずに、様子を確認できます。炙り出しはもう一息できたかもしれません。
星雲部分の広がりが少し足りない撮影になりました。
2021年3月17日撮影
露出8秒間、総スタック時間1416秒間、GAIN前半600秒間180、後半240。
星雲部分が美しく見えます。オリオン大星雲は、毎日撮影しても飽きません。
GAINを分けたのですが、中央部分は飽和気味です。
2021年3月18日撮影
露出8秒間、総スタック時間1336秒間、GAIN前半600秒間180、後半240。
中央部分の飽和をかろうじて避けた感じです。
この画像がというだけではないですが、オリオン大星雲は白く光るガスと赤く光るガスの組み合わせが絶妙で、うっとりせざるを得ません。
まとめ
オリオン大星雲の撮影は、ライブスタックの途中でGAIN値を変えるとか小手先では、うまくいかない気がします。
多段階露出を研究しないといけないなあと思いつつ、SharpCapの炙り出し画像に感動してる間に月日は過ぎて、そろそろ我が家からでは、21時前には撮影が出来なくなります。
オリオン大星雲が旬じゃなくなるなんて寂しいですね。
オリオン大星雲のゲイン値は、8秒間露出の場合、200程度が適当のようです。
あまり効果はありませんでしたが、撮影の前半180、後半240にするとよいのではと思い、トライしていますが、今のところ目立った結果を得られていません。
総スタック時間1200秒間と2600秒間の有為な差も見られなかったです。
ちよっと、中途半端な検証に終わってしまいました。もともと適正値はこの分野では決まっているのでしょうが、自分なりに答えを出したくて。
奥深いオリオン大星雲、駆け込みでいろいろ試しておかなければ。
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