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【天体画像編集】オリオン大星雲に正しいフラット補正をかけてみた

天体撮影に関する事項
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概略

先般、誤った方法でフラット補正をしてしまったせいで、光が当たる現象をまた起こしてしまいました。

訪問者さまからのアドバイスで、明るい部屋の中で、しかも短時間で正しいフラットフレームの撮影ができることを知り、早速実行することにしました。そしてそのフラットフレームを使って、先に撮影したオリオン大星雲の画像をコンポジットし直してみることにしました。
もともと、画像の中心に光が当たる現象に悩まされており、その原因は、フラット補正が適切にできていなかったことでした。

訪問者さまから教えてもらった、明るい部屋の中で行うフラットフレームの作り方ですが、白い壁を、ライトフレーム撮影時と同様のGAINで、ヒストグラムが中央に来るように露出を合わせ、ライトフレームと同じ数だけ撮影します。

↓撮影風景

昨夜、これを使って再コンポジットしたら、光の当たる現象は消えてなくなりました。
やはり、ASI294MCの解像度が、正確なフラット補正を求めるようになったのでしょう。
ASI462MCの時は、ここまでの操作は求められませんでした。

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正しいフラット補正をした天体画像と、誤ったそれとの比較

ライトフレーム撮影の諸元
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI294MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN400、10秒間のfitsフレーム180枚を撮影、うち162枚(計27分)を、DeepSkyStackerでコンポジット・フラット補正
画像編集:FlatAideProで若干強調、GIMPによる色レベル調整
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年12月20日

正しいフラット補正(実行日2022年12月21日)
GAIN400、露出10ms、フレーム数180枚

誤ったフラット補正(実行日2022年12月20日)
GAIN400、露出10ms、フレーム数90枚

強調前画像比較

この辺ではあまり分からないのですが、よーく見ると、①の画像では、オリオン大星雲が光に当てられているのです。

FlatAidePro目的外使用画像比較

③は明らかに、光を当てられています。オリオン大星雲の周りを囲う光の影が、➃だと消えています。

強調後画像比較

⑤は、強調により光が強められて、はっきりと当たっているのが分かります。
⑥はクリアな宇宙空間になっています。

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まとめ

謎の光の原因は特定され、解決されたと考えています。
訪問者さまのおかげをもちまして、クリアな画像を手に入れることができました。
天文沼の深いこと深いこと。

しかし、理解できると、こんなに楽しい趣味はありません。
これからも、もっともっと、天文趣味を楽しんでいこうと思います。

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コメント

  1. Sam より:

    フラット補正上手くいったみたいですね。
    これでもっと炙り出せるはずです。

    RAW16はDSSで上手く開けないことは結構あるみたいです。
    RAW16を活かすために、次はSirilを使ってみるといいのかもしれません。

    • sanpojin より:

      Samさん、ありがとうございます。

      Samさんのおかげで、フラット補正ができるようになり、またワンステップ上がることができました。光が当たる現象も解決できました。
      Sirilは、ぱっと見、難解そうです。頑張って覚えようと思います。
      いつもアドバイス、感謝します。
      これからもよろしくお願いします。。

      • Sam より:

        露光時間が10秒というのは少し勿体無いので、星が流れない程度でもう少し長くしたほうがいいと思います。極軸が十分とれているなら、ガイドをしていない場合、多分次はピリオディックモーションが制限するかと思います。赤道儀のギヤの精度によりますが、恐らく30秒程度までは伸ばすことができると思います。1分だと少し流れるかもしれません。

        露光時間を伸ばすことができれば、ゲインを下げることができます。ゲインを下げることダイナミックレンジが増えるので、淡いところも出しやすくなるはずです。露光時間を10秒から30秒に3倍にする場合、ゲインは3分の1でいいので、少なくとも400から300まで下げてもいいはずです。ゲインの単位は0.1dBなので、400から300まで100下げるということは10dB (=3倍)下げるという意味になります。

        また、露光時間を伸ばすことで読み出しノイズの影響も小さくできます。さらに撮影枚数もへるので、ファイル処理も楽になるはずです。なので、星が流れない限りは露光時間を伸ばしたほうがいろんな面で有利です。

        • sanpojin より:

          Samさん、アドバイスありがとうございます。
          これまでは星が流れるのが怖くて、露光時間を伸ばすのに躊躇していました。
          今回Samさんにアドバイスいただき、30秒程度に露光時間を伸ばすことにします。GAINも下げることができるし、いいことづくめですね。
          実は、Samさんにアドバイスいただいた後、星がどの程度流れるか実験したんです。
          そうしたらかなり長着時間まで星が流れなくてすみました。
          背中を押していただいた貴重なアドバイスありがとうございました。
          これからもよろしくお願いいたします。

  2. せろお より:

    画像処理が苦手なので、作業を細かく書いてあるのが大変参考になります。
    これからも記事を楽しみにしています。

    • sanpojin より:

      せろおさん、ご訪問とコメント、ありがとうございます。
      大変嬉しいお言葉をいただきました。感謝に堪えません。
      僕も試行錯誤しながらやっているようなところもあり、勉強中です。
      せろおさんのお役に、もっとたてるように、頑張ります。
      コメントをいただいて、さらにやる気になりました。
      まことにありがとうございました。

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