再編集に至る経緯
DeepSkyStacker(以下DSS)の設定の問題で、コンポジット後の恒星が、ドーナツ状、紙切れ状になる現象の影響を受けた画像は、すべて設定を変えて再編集することにしております。
なるべく撮影日が古いものから再編集していきます。今回は、はくちょう座の散開星団NGC6866「凧星団」を再編集します。
また、その過程で、今回問題となったDSSのCOSMETICの値の適正値も追及できたらと考えております。
再編集の経過と結果
初期画像
[初期画像の撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による30秒間のフレーム120枚を撮影・DeepSkyStackerによるコンポジット
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年5月29日日曜日
拡大画像です。ドーナツ状恒星がうようよしています。紙切れ状恒星は見当たらないようです。
さて、このドーナツ状恒星が消えるCOSMETICの限界数値は?
凧星団の再コンポジット
実験①
DSSのCOSMETICの数値を探りつつ、凧星団を再コンポジットしてみます。
設定値は、以下のようです。COOLは、効果が最大となる1%ぎりぎりを狙いました。
その結果は・・・ドーナツ状恒星がうようよしています。HOT下げ、COOL上げでこの結果。
というか、微妙な設定が出来ない(^-^;
HOTをもっと上げてやり直してみようと思います。
その前に、画像の比較をしてみます。カブリは若干好転しました。
実験⓶
HOTを思いっきり上げて、コンポジットしてみます。HOTとCOOLの強度をほぼ同じにしたらどうなるでしょう。
もっとひどくなりました。
どうしたらよいんでしょうか。おもいっきり強度を下げればよいのでしょうか。
実験③
%を思いっきり下げました。ドーナツ状恒星は消えました。そして画像はクリアに!
HOTもCOOLも0.01%程度の強度でちょうど良さそうです。
もちろん、それ以下の数値の方が良いかもしれません。
そして、背景の深みも一番です。これ以上の編集は必要はないと思います。
実験④
COSMETICをゼロにしてみます。ゼロだと効果がなくなるそうですが、ドーナツ状恒星、紙切れ状恒星が復活するのでしょうか。
答えは、ノイズの少ない画像の出来上がりでした、もちろんドーナツ状恒星など存在しません。
まとめ
一番最後にコンポジットした↓の画像が最も優れていることになりました。
紙切れ状恒星、ドーナツ状恒星の問題は、HOTとCOOLのチェックを外すことなく、Detection Thresholdのルーラーで強度を変えることで解決できることがわかりました。
チェックボックスを外すことはないです。COSMETICの強度をさげたらよいということでした。
念押しで、フラット補正をしたら、さらにクリアになりました。
この技は、これからもずっと使えますね。
これなら普段も編集は要らないかもしれません。DSSはすごいソフトです。
コメント
COSMETICの各スライダーは・・・
“Filter Size”は1Pixel刻み
“Detection Threshold”は0.1%刻み
で設定できます。
”微妙な設定が出来ない”というのがそれ以下という事でしたら無理ですよ(^^;)
カメラde遊ingさん、コメントありがとうございます。
あ、そうなんですね。ブログで試してみた以下の刻みではもう無理かと思っていました。不器用でマウスもつ手がプルプルしていたもので、もう無理だと思い。僕の身体能力の問題でした。
なかなか天気が晴れてくれませんが、次の新規撮影で、COSMETICの設定をして撮影するのが楽しみです。教えてくれてありがとうございました。
いつもアドバイス感謝します。
マウスでは無理ですよ(^^;
カーソルキーを使うんです。
カメラde遊ingさん、コメントありがとうございます。
簡単に調節できました。アドバイスありがとうございました。