目次
再編集に至る経緯
DeepSkyStacker(以下DSS)の設定の問題で、コンポジット後の恒星が、ドーナツ状、紙切れ状になる現象の影響を受けた画像は、すべて設定を変えて再編集することにしております。
なるべく撮影日が古いものから再編集していきます。今回は、はくちょう座の散開星団NGC6811「星団の穴」を再編集します。
↓対処法
↓ドーナツ状恒星になってしまった撮影記事
初期画像
[初期画像の撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN100、30秒間のフレーム120枚を撮影・DeepSkyStackerによるコンポジット(うち120枚コンポジット)・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル調整・明るさコントラスト調整・トーンカーブ調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年5月29日日曜日
まず、初期に撮影した画像を確認します。一見何もないように見えますが、・・・
拡大すると・・・いるいる、ドーナツ状恒星。これをコンポジットからやり直し、正常に戻します。
再編集の経過と結果
再コンポジット
前述のリンクの対処法にのっとり、コンポジットし直すと、以下のようになります。
拡大すると・・・ドーナツ状恒星も、紙切れ状恒星も見当たりません。修正は成功したようです。
フラット補正
若干ムラがあるようですので、FlatAideProでフラット補正をします。
その結果、若干改善したようです。
残りのムラをカブリ補正、色レベル補正
どうしてもムラが気になるので、FlatAideProでカブリ補正を試みました。
微妙にムラが残っている気がします。
そこで、最後の手段の色レベル補正です。最初からこれで処理すればよかったか(^-^;
少し閑散としますが、スッキリしました。
初期画像との比較
最初に編集した画像と、今回編集した画像と比較します。
やっぱりクリアになっているんですね。散開星団、やはり奇麗です。
ホットピクセル・クールピクセル取得の強度の適正値は?
DSSにそういう機能があるということは、適正な値を入力することで、コンポジット結果が良くなるはずです。
とても適当に数値を決めました。右側のボックスのDetected Hoto Pixelの数値が1%以上では効果が強すぎとのこと、カメラde遊ingさんに教えていただいていたので、最初から低い数値で再コンポジットに臨みました。
●1回目
いますね、ドーナツ状恒星。初期画像よりはましな気もします。
●二度目
クールピクセルの強度を上げてみます。結果は、両ピクセルともに限りなくゼロに近くなりました。
何だか、ドーナツ状恒星が消えましたね。ぎりぎり。クールピクセルの取得を弱めた根拠は無くてまぐれなんですが、とりあえずは、両ピクセルの取得率ともに0.01未満にしておけばよいのではないか・・・境界線がどこにあるかは次回の記事で・・・すみません。
編集無しの今回比較した画像を比較してみます。ドーナツ状恒星が消えたこともですが、カブリも少なくなっていますね。これは嬉しい効果です。
まとめ
今回も、ドーナツ状恒星を駆逐することに成功しました。
ホットピクセルとクールピクセルの取得と除去の副作用と言われても、よく分かりませんね。
しかし、今回、この機能を生かしても副作用が出ない数値に近づきました。
しかもカブリが少なくなるという嬉しい効果を伴って。
次回の記事以降、もっと数値を追い込んでみます。
そして、画像編集をする過程で、色々と試してみたいと思います。
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