スポンサーリンク

【天体観測】さそり座の球状星団M4を撮影してみた

星雲・星団・銀河に関する情報
ディスプレイ広告02

撮影に至る経緯

前日に続いて、天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSO撮影制覇を目指しました。
しかも画期的なのは、さそり座所属のDSOを初めて撮影したことです。

目標天体は、さそり座の球状星団M4としました。
ベランダから南方向は障害物が多く、コンポジットではフレームが無視されがちでしたが、撮影は成功。
これで、また一歩、撮影制覇に近づきました。

自動追尾も上々で、そろそろ撮影時間を90分に伸ばしてみようかと欲が出ています。
しかし、撮影成功に至る経緯は、山あり谷ありでした。

目次に戻る▶▶

撮影・撮像への経過と結果

恒星のピント合わせ

いつものとおり、目測でのバーティノフマスクの光芒確認と、仕上げのSharpCapのフォーカス支援機能を経てピントを固定します。恒星はベガを使いました。
昨夜はその仕上げがなかなかうまくいかず、かなりの時間的ロスをしました。
まず、目測の光芒↓ほとんど合っているようなのですが・・・

SharpCapにおいては、手前側へのズレが圧倒的です。

↓対物レンズ側への調整をしましたが、なかなか落ち着かず、その前の日のように放置プレイ(望遠鏡の前を離れること)をしたら・・・

↓ピントが合いました。何にも手を付けてないのに合いました。SharpCapは放置プレイが好きなのでしょうか。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

これもSharpCapの極軸設定機能を使います。なかなか星を掴んでくれず、前半かなり苦戦しましたが、後半は、露出時間ごとに誤差計算をしてくれるようになり、最後は17″の設定誤差まで追い込みました。時間をかけた甲斐がありました。

自動追尾の状況

今回も、公園の木立を越える前から追尾していたので、撮影時間のトータルは2時間くらいになりました。
木立を越えた時点で、画角にM4がいると嬉しかったのですが、空振り。
今回、赤道儀の追尾の苦手な赤緯値の低い目標ですので、かなり満足感高いです。

基準恒星と目標天体の導入

目標天体のM4の位置は、赤経16h23m、赤緯-26°31′。
アンタレス(等級1.05、赤経16h29m、赤緯-26°25′)のすぐ隣にあります。当然アンタレスを基準恒星にするべきところ、なかなか公園の木立を越えてきてくれず、待つのは諦め、アンタレス近くで肉眼で観測できる星を基準恒星にしました。
初めて聞く名前のアルニヤト(↓画像)(等級3.05、赤経16h21m、赤緯-25°35′)に決定です。

一発で画角導入はできませんでしたが、次のトライで成功しました。2回のトライで成功ですから、よくできた方でしょう。

撮影の結果と、撮像の経過と結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN370、8秒間のフレーム450枚を撮影・うち360枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル補正、FlatAideProによるフラット補正・レベル補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年6月29日水曜日

撮影の結果

少し地味な球状星団ですが、物静かな感じが良いですね。
カブリが残っていますから、補正が必要です。カブリがある角と無い角がありますから周辺減光ではないと思います。
この球状星団は、crab globular clusterという愛称がついています。丸い蟹星団?
しかし、星の並び具合が蟹に見えないことはありませんね。

撮像の経過と結果

フラット補正・レベル補正

FlatAideProでフラット補正をし、カブリをなくします。が、
また、本体の周りだけクリアになっています。本体から離れているところは透明感に欠けます。

色レベルの調整→完成

GIMPの色レベルを調整して、背景を暗くしました。小さな星は犠牲になってしまいますが、全体的なクリアさを優先しました。
これでM4の撮影から撮像まで完了です。

目次に戻る▶▶

まとめ

球状星団にしては、少し地味目でしたが、目を休ませてくれますね。
空にはこんな球状星団が沢山あるはずで、メシエナンバーがついていない球状星団も見逃せないかもしれません。

さそり座所属のDSOデビューは上々です。

これで、天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSO12個のうち3個をこなしました。ベランダからさそり座所属のDSOを撮影できるとなると、プチ遠征が減る分、かなり負担が減ります。

恒星がドーナツ状になる、恒星が紙ぺらのようになる問題は完全に解決しました。
安心しました。

目次に戻る▶▶


コメント

  1. sanpojin より:

    いつもお世話になっております。幣ブログの管理人のsanpojinです。
    平素は誠にお世話になり、誠にありがとうございます。

    2022年6月30日以降にコメントをいただいた方のコメントは、システムの不具合で掲載されていない可能性があります。
    お心当たりの方は、今一度コメントを送信いただくか、ブログトップの「お知らせ」からお知らせください。
    お手数おかけいたしますが、どうかよろしくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました