目次
撮影に至る経緯
かねてから感じているように、DSOについた愛称は、とてもユニークです。
特に、ステラリウムに登録されている愛称は、関連性を全く感じないものあり、そこがまた面白いです。
今回撮影したのは、全世界的な人気を誇るチャーリーブラウンにまつわるもの。
チャーリーブラウンは、チャールズ・M・シュルツという作家さんが生み出した、愛すべきキャラクターです。これまた全世界的な人気を誇るスヌーピーの飼い主。
少し薄幸なところがあって、なかなか思いどおりの幸福を得ることが出来ず、しかし、幸福目指してぶれずに前向きに進む、小学生。いや、前向きに進むというより、マイペースで進むといった方が良いでしょうか。
今回撮影したおおいぬ座の散開星団NGC2367「チャーリーブラウンのクリスマスツリー」には、エピソードがあります。
クリスマスパーティを友達と開く準備の中で、チャーリーはツリーを担当します。
子供たちは立派なツリーをチャーリーが買ってきてくれるのを待ちます。
チャーリーが買ってきたのは、とてもしょぼい地味なツリーでした。子供たちはがっかり。
しかし、チャーリーには、ツリーは作り物ではなく、本物の木を使ったものであるべきだという思いがあり、その、しょぼい、でも生きているツリーを買ってきました。(ネット検索で調べたので間違っているところがあるかもしれません。申し訳ございません。)
その「チャーリーブラウンのクリスマスツリー」が愛称として使われている、とても珍しい散開星団です。
はたして「チャーリーブラウンのクリスマスツリー」は、見た目はしょぼいのでしょうか。
↓「チャーリーブラウンのクリスマスツリー」星団を追う、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。
エアコンの室外機にそろそろ干渉します。
撮影の経過及び結果
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
総スタック時間は1時間確保する予定でした。ここのところ1時間の総スタック時間が定着した感があります。
そのために、極軸は30″未満の誤差を目指したいところです。そして今回も誤差30″未満を狙い、14″の設定誤差まで極軸を追い込むことが出来ました。
自動追尾の状況
1時間の自動追尾で、誤差はそこそこ出ましたが、許容範囲でした。今回撮影中に電信柱が視界をふさぎ、そこを通過するのに時間を(10分くらいですが)とってしまい、無駄に追尾時間が伸びたことも、追尾誤差の原因です。
恒星のピント合わせ、基準恒星と目標天体の導入
恒星のピント合わせ
前の撮影のドローチューブの繰り出し幅がそのまま生きていたので、おそらくピントは合っているはずですが、一応、基準恒星候補のプロキオンを使って、バーティノフマスクを装着して確認しました。
↓ピントは合っておりました。
基準恒星と目標天体の導入
基準恒星はおおいぬ座シリウス(等級-1.45、赤経06h45m、赤緯-16°43′)が当然なところ、もうシリウスはほぼ南中してしまっており、望遠鏡の設置位置の関係で、ファインダーを覗くことが出来ず、まだ東寄りにあったこいぬ座のプロキオン(等級0.40、赤経07h39m・赤緯+05°13′)を基準恒星としました。
先のピント合わせで使っているので、視野にはすでにプロキオンが入っています。
目標天体の位置は、赤経07h20m、赤緯-21°53′にあり、基準恒星プロキオンからは少々遠かったです。
おまけに導入には3度も失敗し、4度目に「チャーリーブラウンのクリスマスツリー」を確認することが出来ました。
↓プロキオンです。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるカブリ補正・トーンカーブ調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年3月3日木曜日
露出8秒間、総スタック時間3640秒間(60分40秒)、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。にて撮影。
中央に見える、ツリー型の星団、これこそ「チャーリーブラウンのクリスマスツリー」星団です。
チャーリーは、見た目しょぼいツリーを買ってきたようですが、このツリーはかなり立派なツリーです。
名付けた人は、チャーリーの行動に感心して、あえて、この立派なツリーに、チャーリーブラウンの名前を冠したに違いありません。
まとめ
今回、チャーリーブラウンのクリスマスツリーの形がはっきりわかり、愛称を読み返すと、命名の意図が伝わってきました。
撮影できて良かったです。
これからも、愛称にこだわって撮影をしていきたいと思います。
今回カブリ補正に少し苦労しました。カブリが復活してしまうため、色強調はできませんでした。
画像編集の奥も深い!
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