経緯
淡い銀河は、強調ノイズが付きがちで、画像編集の難易度が高くなります。
昨年撮影した、くじら座中間渦巻銀河NGC247もそうでした。
撮影した時も、それなりに編集を頑張って、見ることができる画像には仕上げました。
↓これが当時の無編集画像。
↓これが当時の編集後画像。カブリを消すために天体の明るさをかなり犠牲にしました。
銀河としては迫力に欠けますね。
そこで、今回NGC247の迫力を取り戻すべく、再度編集をしていきます。
もともと、総スタック時間が、それほど長くないので、ノイズもつきやすいんですね。
やはり銀河は最低1時間の総スタック時間を確保するべきです。
編集の経過
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック(総スタック時間40分)
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAidePro、GIMP使用
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影日:2021年11月13日
再編集は、上記の無編集画像をベースに行います。
フラット画像の作成
いつものようにFlatAideProで、カブリ軽減のため、フラット画像を作成しました。
あまり、効果ない?
恒星無し画像の作成
フラット画像だけでは、あまりカブリがとれなかったため、FlatAideProのStarNet++機能で、元画像を、恒星のみ画像と恒星無し画像に分離することにしました。
そうすることで、NGC247本体の部分のカブリとりに専念できます。
しかし、暗い・・・
↓恒星無し画像
恒星無し画像を編集
GIMPによる色レベル調整で本体の明るさとコントラストを上げて、彩度を調整をしてフラットな色合いにして、トーンカーブで明るさを強調してNGC247をくっきり目立たせました。
残念ながら、細部が見えてくるというようなことはありませんでした。
迫力を取り戻せそうです。
恒星のみ画像との合成
↓恒星のみ画像。あとは、これと、恒星無し画像(NGC247本体)と合成したら完成です。
↓何とか合成完了です。合成する時に、恒星無し画像の透明度を上げて恒星をたくさん拾おうとすると、NGC247本体が暗くなってしまいます。
しかし、これくらいのバランスであれば問題ないでしょう。
NGC247は迫力を取り戻しました
↓でも、もう一声・・・トーンカーブで明るさを引き上げて・・・
↓編集完了です。
まとめ
今回も被りに悩まされた編集でした。と言いますか、カブリの無い画像は無いのではないかと。
今回は、色がべったりついている画像ではなかったので、そこは助かりました。
これからも、過去の画像を編集して、より良いものにしていきたいと思います。
今夜は天体観測が可能かもしれません。楽しみです。
コメント
ソフト的なフラットの次はフラット画像に挑戦ですね。
ダークはライブスタック時にやってるんでしょ?
フラットが合えばかなり見映えが変わりますよ。
フラットが合わない場合はFlatAideProで補います。
露光不足で写っていないものはどうにもならないですけど・・・。
カメラde遊ingさん、コメントありがとうございます。
なるほど、SharpCapにライブでフラットをする機能がありました。それをすれば、さらにカブリの無い画像が得られるんですね。
早速試してみます。
ダークは毎回やっています。はじめてダークをした時もノイズが消えて感動しました。
フラットも期待大ですね。
アドバイス感謝です。今回も思いついていませんでした。