概略
本格的な画像処理をSirilを使って訓練中です。目標天体は、今が旬のオリオン大星雲。
管理人は基本的にホワイトバランスをとるのが苦手です。前回は眩しい青色。
そして、今回は緑色すぎる緑色になってしまいました。
そのため、一旦、FlatAideProで画像を開いて若干ストレッチしたうえで、Sirilに戻し、Sirilで処理したところ、今回はまともなオリオン大星雲になりました。
一旦、FlatAideProを経由しないといけないのが、気に入らないのですが。
訓練画像
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI294MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN250、30秒間のfitsフレーム180枚を撮影、うち178枚(計89分)を、Siril1.0.6でコンポジット・フラット補正・ダーク補正・バイアス補正
画像処理:Siril・FlatAideProによる画像処理炙り出し
画像サイズ:4144×2822
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2023年1月7日
一次成果(線形/Arcsinh変換)
ホワイトバランスの設定ミスにより、こんなになってしまいました。今まで自動に頼っていてうまくいっていたのになぜ今になって?
そこで、FlatAideProの非用途使用でいったん軽く強調したうえで、Sirilで開きました。
↓その結果がこれ。実は、Sirilによるコンポジットが終わった時には、これと同じレベルの画像が見えていたのですが・・・
最終成果(線形/Arcsinh変換)
今回は何とか形になりました。過程に問題がありますが。まずは完成です。
コメント
おお!やっと背景の淡いところが出てきましたね。ランニングマンもよく見えています。素晴らしいです。
次の課題はカブリでしょうか。おそらくですが、過去記事を見ているとsanpojinさんもしかしたらカブリのことを誤解しているのではないかと思います。今回は典型的なカブリが見えていて、右上が緑のカブリ、右下が暗くて、これも被りの一種です。左上は青系のカブリでしょうか。
これらのカブリは1次( = 直線(面なので実際には曲面ですが)で近似できるという意味)に近いものなので比較的簡単に取れると思います。
FlatAidProは目的そのものでしょうし、Sirilでも
https://soraga-suki.blog.jp/archives/16040165.html
を参考に、カブリを除くことができると思います。
FlatAidProやSirilのカブリ処理は、PixInsightだとDBEと呼ばれる範疇の背景処理に近いのですが、PixInsightは他にもABEと呼ばれる1次や2次の曲面で近似して背景カブリを取る機能があります。今回は1次に近いカブリで、かつオリオン大星雲の周りはモクモクが多く低次の曲線で取り除いた方が余分に取り除きすぎないので、ABEの方が適しているかと思います。
いずれにせよ、カブリを取るとさらにあぶり出しができるので、もっと淡いところまで攻めることができるはずです。
気になるのは、最も淡いところの階調がなくて段々になっていることです。Siril、FlatAidPro、GIMPの間のファイルのやりとりはどのフォーマットを使っているでしょうか?最低限TIFFの16ビットを使って下さい。ソフト間のやりとりでJPEGやTIFFの8ビットとか使うと、すぐに階調を失います。特にGIMPは古いバージョンだと16bit処理ができないので注意が必要です。必ず最新バージョンを使うようにしてください。JPEGは8bitしか扱えないので、最終の最終でJPEGに落とすのみでくらいしか使いません。
今の階調不足が、途中でJPEGなどに落としたためになっているのなら、ファイル形式を変更して処理をし直せばいいのでまだましなのですが、もしかしたら元画像の明るさが根本的に足りていないのかもしれません。30秒露光でゲイン250だと少し暗いかもしれません。その場合ゲインを300程度まで上げると改善する可能性があると思います。
まずは第一にカブリをとって淡いところを出してみて、それでも階調が得られない場合はゲインの調整か、次はもう露光時間を長くする方法を模索すべきかと思います。
Samさん、アドバイス、コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。
ソフトのビット数、わかりました。一応、すべて16ビットのものを使っていますが、再確認します。
やっぱりJPGは画質が低くなるんですね。ブログに貼り付けることだけに使いたいと思います。ここのところのSamさんのご指導で、自然とFits中心の生活になってきました。
カブリにもいろいろとあるんですね。今回の写真のカブリは簡単に撮れるんですね。早速やってみます。カブリの除去は最終段階だと思っていましたが、そこからさらに炙り出しが出来るんですね。これは面白そうです。
確かにGAIN250は暗いような気がしていました。次の撮影では上げてみたいと思います。
丁寧にご説明くださるので、とても分かりやすいです。Samさんの指導を無駄にしないように取り組みたいと思います。
アドバイス、感謝です!