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【天体観測】目標天体の導入には、星は多く見えた方が良い

天体撮影に関する事項
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目標天体の導入とは

その名前のごとく、視野・アングルに、観測したい、撮影したい天体を導入することです。
管理人のNEWポラリス赤道儀はかなりのベテランで、自動導入などという便利な装置はついていません。
管理人が天体観測をはじめた37年前、天文ファンは、どうやって天体を導入していたのだろう。
きっと今の管理人のように目盛環を使っていたのでしょう。

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管理人の天体導入手法


管理人の天体導入の手法は、赤経方向を目盛環で追い、赤緯方向を微動ハンドルの微調整で追い込むという方法です。
赤緯方向を最後の2°位を残して、目標天体にじわりじわりと、ハンドルを回して迫ります。
NEWポラリス赤道儀の目盛環は、赤経方向が10m刻み、赤緯方向が2°刻みです。

↓10m刻みの赤経目盛

↓2°刻みの赤経目盛

目標天体になるべく近い恒星を基準として、その赤経・赤緯値に赤道儀の赤経・赤緯の目盛りを合わせ、それを基準に目標天体の赤経・赤緯値まで望遠鏡を動かします。
これで、目標天体の位置にたどり着きます。うまくいっていれば。
この間、当然モータードライブはスイッチオン状態です。

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明るい天体ではない場合

目標天体は、月や惑星については明るく視直径も大きいので、導入できたことが確認できます。そしてすぐに撮影に入ることができます。

問題は目標が暗い場合、主にDSOですが、導入できたのかあるいは失敗したのか、分からないという悩みがあります。
オリオン大星雲などは肉眼でも見えるため、導入できたかどうかは一目瞭然なのですが・・・

↓かに星雲をアングル上部中央あたりに導入することが成功したところ。影のようなものが見えますよね。
暗い天体といっても、かに星雲は良い方で、だいたいその形を表してくれます。

天体が明るい場合、形状が分かっている場合は、導入もしやすいのです。
かに星雲は佐渡島の形をした雲状に見えると下調べが出来ていたので見逃すことがありませんでした。

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目盛環による天体導入の関門

基準恒星の位置設定

基準恒星の赤経・赤緯値は、インターネットで調べます。
その値は正確なので問題ないのですが、赤道儀の目盛をいかに正確に、その値に合わせるかが第一の関門です。
そして目盛は目分量で読みます。何というか、感覚を研ぎ澄まさないといけません。

ここでずれると、目標天体の導入までずれてしまい、空の真ん中で迷子になってしまいます。
前掲の写真のように、結構目盛りは荒いです。この目盛の中で、正確に合わせないといけません。

目標天体の導入

基準恒星の位置設定が終わったら、すぐさま、目標天体の赤経・赤緯値に向けて望遠鏡を動かしますが、ここでも幅のある目盛の中で、1m、1°のせめぎあいがあります。
管理人のやり方だと特に、最後の追い込みは赤緯微動ハンドルで行いますから。

そして、ここでも、目分量で行う目盛設定を外すと、空の真ん中で迷子になります。

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導入できた時の喜び

管理人は、DSOについては、明るくて、Wikipediaの写真で形がよくわかる散開星団を多く撮りました。導入で迷子にならないためです。
↓とも座散開星団M46 これだけ集中して明るい星があれば、見逃すことはありません。

↓ふたご座NGC2158 中央の細かい星の密集したところがNGC2158ですが、これだと、導入できたのかどうかわかりません。
Wikipediaでその姿を確認できなかったからです。

このように、導入が楽な天体、なんども接触をトライしなければならない天体、色々なんですが、おそらく、60%くらいの接触率でしょうか。
一発で導入できた時の喜びは、とても大きいのです。

不運にも接触できなければ、例のサイトを基準に、やはり目盛環で修正をかけていきます。

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やっぱり星は重要

こうしてみると、やはり恒星はたくさん見えていた方が良いです。
一等星だけではなく、二等星までは見えてほしいです。
基準恒星は目標天体に近いほど、導入時の誤差が少なく、導入に成功する可能性が高くなります。

先般の奇跡的に星が見えた夜も、一等星までしか見えていませんでした。

早く梅雨が終わり、霞のない空で、新しい望遠鏡で、撮影を楽しみたいと思います。

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撮影:NEWポラリス80-M

コメント

  1. カメラde遊ing より:

    これからも目盛環を使っていくなら、バーニヤ目盛を作ったらもっと精度が上がりますよ。
    普通に作っても各軸の最小目盛の1/10まで(赤経軸なら1分単位)まで正確に読み取れますから、工夫次第ではもっと細かく読めます。
    工作する都合上1/10が適当なサイズになると思いますが、トライする価値はあると思いますよ。
    メモリを作って今の指標の横に貼るだけでいいんですから。
    赤経はシールを貼るだけで簡単だと思いますが、赤緯は段差をどうするか工夫が必要ですけどね。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、ありがとうございます!

      実は過去に、バーニヤ目盛の導入のお勧めをしていただいていました。誠に申し訳ございませんでした。
      当時、バーニヤ目盛のことを理解しようとして、挫折した経緯があります。
      今回新たにネットで調べたら、カメラde遊ingさんのサイトがたくさんヒットして。。。大変失礼なことをしました。

      バーニヤですが、原理からしてよくわかりません。実際に作るとなると、さらに分からなくなります。

      ①バーニヤの1目盛の長さは、何を基準に決めるのか
      ②何目盛まで作るのか
      ③バーニヤを貼る位置は、赤経目盛の基準の指針を中心になるように貼るのか。

      もしできたら教えてください。よろしくお願いします。

  2. カメラde遊ing より:

    原理は解説サイトが沢山ありますからそちらでどうぞ。
    実際の作り方ですが、読むメモリの最小メモリ(赤経は10分、赤緯は2度)9個分を10分割します。
    これではメモリ間隔が狭いと言うことでしたら19個分を10分割します。
    そういう副尺を作ればOKですよ。
    もっと細かく読みたいと言うことでしたら原理から工夫してみてください。
    元のメモリ間隔はその目盛環の直径から計算できます。

    貼る位置は見易い位置ならどこでもいいです。
    目盛環は回転しますでしょ?
    北極星の導入は時角を利用していないと思うので元の黄色い指標に重ねて貼っても問題ないと思います。

    CADソフトが使えると目盛の作成は簡単ですよ。
    CADでなくても任意の線分を分割する機能があるソフトがあればOKです。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、アドバイスありがとうございます。

      理屈は分かりませんが、作り方は分かりました。読み方はノギスの読み方のサイトがあって、そこで何となくわかりました。
      実際に作ろとなるっとさっぱりでしたので、失礼ながらお力をいただきました。お忙しい中早速返信いただき、大変助かりました。
      やはりCADがあると便利なんでしょうね。僕は今、エクセルを使ってちまちまと作成しています。
      完成したら、記事でご報告します。

      今回もありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

  3. カメラde遊ing より:

    あ、赤緯は10進法じゃなかった(^^;)
    赤緯は最小目盛の11個分を6分割します。
    それか、11個分を12分割する方が良いかな。
    後者の場合は前後60分分の目盛として使えます。
    経験上、このぐらいが適当かなと思います。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、コメントありがとうございます!

      これも原理は分かりませんが、そのように作成してみます。しかし赤緯は貼り付け位置が難しいですね。
      考えてみます。

      再び戻っていただき、ありがとうございました。助かりました。

  4. カメラde遊ing より:

    10進法というのは間違いですね(^^;)
    細分化したい目盛が10目盛りじゃないという意味です。
    なんとなく法則が分かったかと思いますが、ある目盛をn分割したいという場合、その目盛(n-1)個分をnで割るのがバーニヤ目盛の作り方です。
    10分間隔の目盛を10分割したい→(10-1)/10
    2度間隔の目盛を6分割したい→(6-1)/6
    応用としては((2*10)-1)/10とか((2*6)-1)/6、こんな感じになります。
    使いやすいように工夫してみてどの間隔にするか試してみるといいかと思います。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、ありがとうございます。

      はい、かなり何となくですが、分割の法則は分かりました。
      でも、応用の方は、ちょっとよくわかりません。すみません。
      でも、バーニヤ目盛を使うようになれば、もっとわかりやすくなる気がします。

      しかし、望遠鏡の世界、今更ながら深いことを再認識しております。

      これからもよろしくお願いします。

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