事の起こり
2020年10月12日の火星の撮影で不思議なことが起きました。
それぞれ違う動画から、同じ画像ができたのです。
確かに撮影した間隔は短かったです。
火星に変化が現れるような時間は置いていません。
それにしても(見た目)全く同じ写真ができるとは・・・設定値も違うんですよ。
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、、2倍バロー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)
撮影場所:自宅ベランダ
撮影ソフトウェア FireCapture2.6 スタッキングソフトウェア AutoStakkert3.1.4
画像処理ソフトウェア RegiStax 6
3つの動画それぞれの設定値は違うのに
それでは各画像のもとになった動画の設定値を確認してみましょう。
①22:26画像
Duration=60.002s、Frames captured=4877、ROI=640×480、FPS (avg.)=81、Shutter=10.00ms、Gain=146 (24%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=2765、Histogramm=67%
[Wavelet処理]Layer1 Preview100、Sharpen0.15
②22:28画像
Duration=60.005s、Frames captured=5994、ROI=640×480、FPS (avg.)=99、Shutter=10.00ms、Gain=146 (24%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=3065、Histogramm=74%
[Wavelet処理]Layer1 Preview100、Sharpen0.15
③22:31画像
Duration=60.010s、Frames captured=5995、ROI=640×480、FPS (avg.)=99、Shutter=10.00ms、Gain=151 (25%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=3083、Histogramm=75%
[Wavelet処理]Layer1 Preview100、Sharpen0.15
異なっているのは、FPS (avg.)、Gain、Histogrammです。
評価
FPS (avg.)は極端には違わないため、画像に影響を与えそうなのはGain、Histogrammです。
さらに、Gainも、画像に大きな影響を与えるほど、大差ありません。
やはり有意な差がありそうなのは、Histogrammです。
Histogrammは67%から75%の開きがあります。
①と③では目に見える差が出そうな気がするのですが。不思議なものですね。
まあ、これまでも同じような現象がなかったではなかったし、驚くには値しないのかもしれません。
念のため、動画を並べて再生させて確認しましたが、確かに似ている動画でした。でも同じ動画ではなかったです。
また、AutoStakkert3.1.4がエラーを起こしたりしていないかと心配になって、他の明らかに出来型の違った動画で画像を作ってみましたが、最初の通りの画像ができました。
AutoStakkert3.1.4に異常はなかったことになります。
まとめ
人の目にはわからないような差の画像だったとしか言いようがありません。
本撮影前の短時間撮影で、同じような画像ができるかどうか確認すると、こういうことで気をもむことも減るかもしれません。
でも、別に悪い出来事ではないし、こういうこともあるということで。。
コメント
設定を変えても同じ画像ができるということは、画像処理の安定性が増してきたからだと思います。観測の定量性という観点からは大事な事です(が、これが案外難しい)
私見ですが、ゲイン設定が実際の画質に与える差はほとんど無いと思います。センサの持つ性能を底上げしてくれるわけではないので、ある特定状況下では効果があるかもね、程度なので、、、
とはいえ、シーイングが悪ければ、ゲイン上げて、露光時間短くして枚数たくさん撮った中から選別するとか、効果が無いとは言い切れません。いずれにしても、場数を踏んで、自分なりにこれがいいな、と思う設定を見つけるのが良いかな、と思います。
UTOさん、ご訪問とコメント、ありがとうございます!
確かに、この数値で撮影したら安定して同じような画像が出来るわけですから、安定性という点では、喜ぶべき点ですね。
ゲインは画質にあまり影響ないんですね。確かにガツンと明るさが欲しいときに使ったりしますが、画質で考えることはなかったですね。
ゲイン上げれば、枚数たくさんとれますよね。なるほど、それがシーイングが悪い場面に使えるわけですね。
場数、これは僕も大事だと思います。だから、晴れている夜にはほとんど観測を欠かしたことがありません。そういう中で、設定値を模索しています。
これからもよろしくお願いします!